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第20話

カナメside ゆっくり目を開けると光に照らされるミヤビの姿があった 陽に透けてしまいそうな位白いミヤビが消えてしまいそうに儚くて 「ミヤビ様」 「おはよ。カナメ。ミヤビでいいよ」 「しかし…」 「俺からの命令。わかった?」 「御意。ミヤビ。体大丈夫?」 消えてしまいそうで怖くて後ろからそっと抱き締めたまま問うた。 ミヤビは何も言わない…そのまま言葉を続けた 「さすが…ご当主様だ」 「ん?」 「約800年ほど前この儀式が行われたときのご当主様は3日ほど一人では動けなかったそうだ。でもお前は一人で動けてる」 「今日も学校だしね。色々言ってらんないでしょ」 何でこんなに真面目なんだろう…俺なら今日くらい学校なんて休みたい…体はきついはずだから 「お前の匂いが強いのは秘めたるものがかなり大きいからだろうな。お前が覚醒したら…俺…もうこうやって近付けないかも」 覚醒すればその力に圧倒され側によれなくなることもあると聞いていた。俺の様な半妖ならどうなのだろう? 側に居続けたい…ミヤビに触れていたい…そう願い口付けた 「カナメっ」 自分でもその行動に驚いて膝を付き謝った 「あ…申し訳ございません」 ミヤビの細い指先が俺の髪を鋤いた…そこから熱が高まっていきそうだ…それだけでも胸が高鳴っているのに… 「いいよ。少し驚いただけだから。カナメのキス好きだよ。だから気にしないで」 お前はなぜこんなにも…俺じゃなくてもそうやって笑って許すのか?それは嫌だ…我慢できなくて… 「っ…ミヤビっ…ごめん…」 そのあともう一度深く口付けた。 「んっ…」 「あ…」 涙を浮かべるミヤビを見たら申し訳なくて俯いた… 「もう…カナメったら…そろそろ広間へ行こうか」 「うん」 既にシン様たちはいるのに肝心のサコン様がいない…またあの部屋で… 「サコンさんは?」 「あぁ…クソ狐ならまだ部屋で…」 「はぁ…またですか。俺呼んできます」 やはり…御当主様がいらしているのになんてことだ…今日は誰を抱いている? 「そんなに嫌なら呼んでこなくても良いだろう」 シン様にそういわれたけれどそうも行かないだろう 「いえ。ご当主様がいらしてるのにそんなことはできません」 「カナメ。俺も一緒にいこうか?」 絶対見せたくない…場合によっては俺もそのままそこに交わらなければならなくなるかもしれない…ミヤビには見られたくない… 「いえ…なりません…ミヤビ様にあのような…ここにいてください あの部屋に行くと数人の女と数人の男と戯れているサコン様がいる 「よーカナメ遅かったじゃないか。待ちくたびれた」 今日の相手はかなり力のあるものだ。どんな理由であれ交わらないという選択は出来ない相手だった 「サコン様。御当主様がいらしているのですよ。早く身支度なさってください」 「なぁにいってんのぉ?これが俺たちの役目でしょ?」 サコン様の瞳に魅せられ動けなくなる…嫌だ…嫌だ…もうミヤビ意外は抱きたくない… 数人の女が俺に群がり浴衣をはだけさせ肌に触れてくる。気持ち悪い… 「んー…なぁんか今日カナメちゃん乗り気じゃないわね」 「御当主様がいらしてますから」 「そ。ならまた今度相手してね」 「御意」 「えーっ!!カナメ!!いいじゃん。そう固いこと言うなって」 「あなたは阿呆ですか?」 「んもー仕方ないな…んじゃ急いで済ませるからそこで待ってて」 数人を一人で相手するサコン様を見ながら舌を打つ 「なぁに?カナメちゃん。欲しくなっちゃった?」 そう言い俺の首もとや胸元に華を咲かせていく女をただ見下ろしていた。 美しくない…ミヤビが抱きたい… 終わるのを待ち皆の意識を飛ばさせてサコン様はやっと身なりを整えだるそうについてきた 「カナメ」 「はい」 「お前さ。ミヤビちゃんに惚れた?」 「えぇ。それは勿論」 「だよね?お前は半分人だものね。ミヤビちゃんほどの子なら惚れるのも無理ない。でもわかってるね?俺たちの立場」 「わかっていますが私は半分人です。あなたたちとは違う」 「ふーん。まぁミヤビちゃんの気持ち次第で俺も考えてやるよ」 広間に戻ると皆ほぼ食事は終えていた。 ふとミヤビと目があう。俺の首もとに視線をやると俯いた… あ…勘違いさせた…俺は抱いてねーぞ。なんて言えるはずもなく… 「おはよぉ…みんな…」 「サコン…ご当主様がいらしてるのに何ですか…」 「仕方ないじゃん。俺が魅力的だから」 「はぁ…何を言っても無駄ですね」 「ミヤビちゃんが綺麗すぎるのがいけないんだよ。昨日のミヤビちゃんの色気に当てられちゃってね」 「サコン。いい加減になさい」

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