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第25話
その日周りが騒がしかった。
理由は明確。カナメが休み時間の度に俺の元へやって来ては口説き始めるからだ
本当にやめて欲しい…目立ちたくないのに…カナメは俺は知らなかったが校内では有名らしい。
ひそひそ話している会話が聞こえたから。
いつもなら何をいってるのか聞く気がないので中身なんて知らなかったが俺は敏感になったらしい
「うわ…カナメじゃん…マジで男前…」
「カナメ様…素敵…1度くらいお相手して欲しい…」
「カナメ様…」
カナメは実は校内で人気ナンバーワンだったらしい。
全く知らなかった。
「なぁ。ミヤビ」
話しかけてくるけれど無視を決め込んでいたため聞こえない振りをしていた 。
「ミヤビ…」
耳元で囁くなんて…卑怯だ…周りから悲鳴とも取れるような声が聞こえる…
「ねぇ…ミヤビ…こっちみて?」
絶対に見てやるものか…自分の中心部が熱を持ち始めゆるりと立ち上がってくるのを必死に抑えながら本から目を離さないでいる
「授業始まりますよ。お引き取りください。そしてもう来ないでください」
「冷たい…」
そして更に声を潜め耳元で囁く
「ミヤビ…あんなに可愛く啼いてくれたじゃない…また、聞かせてよ。お前のエロい声」
「…っ…戻れ。もう、くんな」
カナメはしぶしぶ帰っていく
本当にやめて欲しい…戻れないところまで連れていかないでよ…
「うわぁ…ミヤビ様の声…美しい…あのお姿が堪らない…」
「わかる…」
「本当にカナメに落ちないかな…本当にお似合い…」
「カナメなら頷ける…」
「はぁ…カナメ様…やばい…俺…」
「うわ…お前元気になってんじゃん…」
「だって想像してみろよ…カナメ様とミヤビ様の絡み…うわぁ…何回でも天に昇れそう」
「そこまで行くと清々しいな…でも…わかる…あれだけ美しい声をお持ちのミヤビ様が艶っぽくカナメの下で鳴くって思うと…たまんない…」
もちろんそんな会話が他のクラスでなされているなんて俺は知らない
一日中注目されたまま放課後になる。カナメに見つかる前に帰宅しなければ…
そう思い立ち上がる。でも遅かった…出口をカナメに塞がれてしまう
「ちっ…そこどいてくれませんか?」
「やーだ!一緒に帰るって言うまでは退かない」
「関わらないでくださいとお伝えしたでしょ。さぁ退いてください」
そう言いながらカナメの胸を押すと腕を捕まれてしまった
カナメに力で敵うはずもなく…無理矢理手を取られ校内を歩かされ下校した。
いつまでも手を離してくれないので逃れようもない…
「うわぁ…ミヤビ様の舌打ち初めて聞いた…やばいな…」
「ミヤビ様のあんなに不機嫌そうな顔はじめてみたけど…」
「くるな…」
「…うん」
やっぱりそんな会話も俺は知らない
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