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第28話

その後はただ無言で歩き続けた。 「またね。カナメ」 「ミヤビ」 「なに?」 ちゅっ 「カナメ…」 「ごめん。やっぱ無理だわ。諦めないからな」 「…お前な…」 そんな不意打ちのキスなんて…カナメはずるい…好きだよ…俺だってお前だけのものになりたい… 「ミヤビ?何その顔…期待しちゃうけど?」 「ちがっ…」 次の瞬間にはカナメに抱き締められていた カナメの心臓がうるさい…こんなに俺で鼓動を早くしてるなんて…カナメ…大好き… 「なぁ…ミヤビ…本当は…俺のこと…」 「カナメ!!後ろ!!」 「わかってるよ」 俺を抱いたままカナメが高く跳躍した 「良いところを邪魔しやがって…」 「その人間を寄越せ…」 「誰が寄越すか」 俺を抱いたままなのにカナメは次々とかわしていく 「これでおしまい…」 相手は灰になってさらさらと崩れ落ち消えていった 「小物が…」 小物とはいえここまで俺に近づけたということはそれなりの地位にいるものだろう 「ミヤビ。ケガない?」 「大丈夫。ありがとう」 「良かった。守れた」 「…っ」 カナメの笑顔に撃ち抜かれる…何だよ…そんな顔もすんのかよ…くっそカッコいい

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