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第30話

何だか体がふわふわする… 色々なことが起こって体は限界だったのかな 真っ暗…何も…見えない… 「やぁ。ミヤビ様ようこそ…夢の国へ…」 「…」 誰?声にならないまま声のした方へ意識を向ける 「ふふっ…美しくなられましたね…」 だから…誰? ぼんやり暗闇の中から白い影…見覚えはある… 「お久しぶりです」 こいつは… 「む…げ…ん」 「おや?私の名を覚えくださってましたか」 パンっ! 夢幻が手を叩くと辺りは明るくなって行く 一面が美しい花たちで覆い尽くされる 「ミヤビ様。もうお話しできるはずですよ」 「ここは…」 「先程申したでしょ?夢の国ですよ」 「何で俺はここに…」 「随分とお体を酷使されたようですね」 「あぁ…それで…」 「今現実世界ではあなたの体は眠っている。ほらっ」 パンっ! 目の前に水鏡が現れ屋敷を映し出す 心配そうに俺に寄り添うシンさんがいる 「うわぁ…心配させちゃってる…夢幻。一旦あちらに帰してくれないか?」 「私もそうしたいのは山々なのですが…あなたの精神が向こうに戻るほどの力がないのです…今無理に帰してしまえば…あなたは途中で消え夢の住人となってしまい向こうには戻れなくなる…」 「…では…式は飛ばせないだろうか?」 「そうですね…それも厳しいかと…」 「こちらに召喚することは?」 「そうされた者もあなたと同じように肉体と精神が離れてしまいます」 「夢幻。お前はここから出られないの?」 「残念ながら…」 「じゃあ。泡影は?」 「お呼びですか?」 「相変わらずだね…泡影」 「ミヤビ様のお声が聞こえたもので」 「ねぇ。泡影…一旦さ向こうに行って俺の状況を伝えてきてくれない?」 「ですが…」 「俺の体使っていいから。このまま何も言わないままでは皆を不安にさせてしまう…ただでさえ今の状態なのだから…」 「御意。では行って参ります…しかし戻れるのは満月の夜…半月ほどかかります」 「わかった。それでも伝えてきて?」 「では行って参ります」 「ミヤビ様よろしいのですか?」 「いいよ。みんなに何も言わないで開けるよりよっぽど良い…」 肉体を貸し出すということは一歩間違うと俺はもう存在できない可能性もあるってこと。 俺の肉体が俺ではなく泡影を強く求めてしまうのならそれは俺と泡影の入れ替わりを意味する。 「まぁミヤビ様のことなので問題はないかと思いますが」

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