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第36話

「どうしました?ミヤビ様」 「昔のこと思い出してた。俺の初恋って夢幻かもね」 「初恋ですか?」 「初めて会って元の場所に戻るとき悲しくて泣いたなって」 「そうでしたね。ふふっ…あのときのミヤビ様可愛らしかったです」 「また会えて良かった。あの日ちゃんとお礼を言ってなかったから。助けてくれてありがとう」 「いえ。私は私の仕事をした。ただそれだけですよ」 「うん。でもありがとう。夢幻は美人だよね」 「これは皆の想像から出来た姿なのです。皆美しいものが好きですから。泡影もそうですよ…おや?また誰かがこちらへやって来たようです…ミヤビ様はこちらにいますか?」 「付いていっていいの?」 「えぇ。構いませんよ」 迷いの森へ向かうとそこには一人の人間が横たわっていた 「これは珍しい…肉体と共にやって来ている…あのときのミヤビ様のように…これは…あぁ南の…」 「カナメ?」 「んっ…ミヤビ…」 「え?何で?」 「ミヤビのこと強く思ったら飛ばされていた」 「ほぉ…面白いですね…南の者は元々空間移動は出来るのは承知のことでしたがまさかここにまで来られるとは…一緒にいらっしゃい…あぁ動けませんね」 夢幻がカナメに触れるとゆっくり立ち上がった 「これでしばらくはこちらにいられるでしょう」

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