40 / 140
第40話
カナメside
「蒼さま。紅さま」
「おーカナメ!どうした?」
「あなた方は双子ですよね。」
「そうだ」
「血のこと?ミヤビ様が孕めるためのあれ?」
「えぇ…」
「俺たちはミヤビ様が幸せになれるのであればいくらでも協力するよ?」
「まだ…ミヤビに話していないからわかりません…ですが…ミヤビの迷いがそれだけなのであれば俺は…」
「うん。わかったよ。ミヤビ様が戻られたら話してみてね」
庭に出て空を見上げる月が輝いていた…あと数日で満月…
ミヤビ…ミヤビに会いたい…目を閉じそう考えていた。
すると何かに引っ張られるような感覚がしてそのすぐ後に俺は意識を手放していた
次に目が覚めたとき…見覚えのない森に倒れていた…体は動かないけれど…
ここはどこだ?…遠くで声が聞こえた気がした
「これは珍しい…肉体と共にやって来ている…あのときのミヤビ様のように…これは…あぁ南の…」
聞き覚えのない美しい声…今…ミヤビ様と言った…?
そのすぐ後に聞き間違えるはずもない声が響く…
「カナメ?」
「んっ…ミヤビ…」
声を絞り出すように愛しい人の名を呼ぶ
「え?何で?」
「ミヤビのこと強く思ったら飛ばされていた」
「ほぉ…面白いですね…南の者は元々空間移動は出来るのは承知のことでしたがまさかここにまで来られるとは…一緒にいらっしゃい…あぁ動けませんね」
見覚えのない美しい者が俺の体に触れるとたちまち体は軽くなり動けるようになった。どういうことなのだろう…
「これでしばらくはこちらにいられるでしょう」
ともだちにシェアしよう!