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第42話

「待って…カナメ…ねぇ…待って…」 「やだ…待たない…夢幻も泡影も言ってた…互いを求めているって。 泡影は表には出ない本音を感じ取れるって言ってた… 認めて?ミヤビ。…俺のこと好きだって…認めて?」 「カナメっ…」 「俺を欲しがって?諦めないで?」 「カナメ…俺は…」 「ミヤビが俺のものになってくれるなら…俺はもう、お前以外は抱かない」 「何いってるの…?そんなこと出来るわけないでしょ?南の者の役割を放棄するつもり?」 「サコン様はそれも構わないと言ってくださった。だから…ねぇ…ミヤビ…」 「カナメっ…俺は…俺っ…お前が……」 「ん…」 どちらともなく唇を重ねる… 好きだ…まだちゃんと言えないけれど…伝わっているだろうか… 「ミヤビ…好きだ…」 「ミヤビ様。カナメ様。よろしいでしょうか?」 「あぁ。」 「おや…お話はついたようですね…さて…カナメ様あなたは肉体ごとこちらに来ています。戻る方法は…おわかりですか?」 「いや…夢幻。俺はどれだけこちらにいることが可能だ?」 「そうですねぇ…カナメ様がいられるのは…おそらく…明日の夕刻まででしょうか…」 「わかった。それまでミヤビと過ごしてもよいか?」 「えぇ。構いません。戻る方法は…南の方なので…強く願えばおそらく…大丈夫かと思います… 最悪…森の奥の古井戸。そちらがあちらと繋ぐ扉と成っておりますのでそちらを通ることも可能ですが…ご自身をしっかりお持ちでなければ…途中で肉体がばらばらになってしまう可能性もございます。そうなりましたら…カナメ様という存在は元々存在しなかったものとなります。皆からあなたの記憶が…無くなります…」 「俺がこちらにこられたのはミヤビを強く思ったから…だから…ミヤビを思えば…まあ…ゆっくり考えてみるよ」 「カナメ様。」 「何だ」 「ミヤビ様を…愛してらっしゃるんですね」 「当然だ」 「ふふっ…素敵なことです…さぁ。もうお休みください。こちらは時が早く過ぎ去ります。少しでも多くの静養を…」 「わかった」 カナメと抱き合いながら目を閉じる…カナメの体温が…心音がとても心地よくて…深く深く落ちていった

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