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第43話
目が覚めるとふわりと好きな薫りに包まれる
「ん…起きた?ミヤビ。おはよ」
「おはよ…カナメ…」
額に唇が触れる
恥ずかしくてカナメの胸に顔を埋める…
「ミヤビ…かわい…」
「可愛くない…」
「ねぇ。ミヤビ。俺を受け入れてくれたって思っていい?」
無言で首肯く
「ふはっ…可愛い…」
「カナメは本当に…俺でいいの?」
「当たり前でしょ。ミヤビがいい」
「俺…男だよ?」
「うん。俺もだよ?」
「ねぇ…カナメ…もしさ…蒼も紅もその血でなかったら…俺は…他に相手を見つけなくてはならない。それはわかってるよね?」
「わかってるよ…」
「それでもいい?」
「お前のやるべきことはわかっているから…」
「そのときは…俺もお前を諦める…」
「うん。俺は俺の役割を果たすだけ…」
「苦しいね…何で俺は男なんだろうね…」
「お前が何でもきっと俺はお前を見つけてたよ。」
「カナメ…」
「はぁ…もっと早く噂のミヤビ様見ておくんだったな…」
「何だよ…噂のミヤビ様って」
「学校じゃ有名だよ?」
「どうせいい噂じゃねぇだろ」
「いや。逆だね」
「そ。ならいいけど…」
「ミヤビ…抱いてもいい?だってお前が戻るまでまだ時間かかるし…」
「夢幻がいつくるかわかんないのにできるかよ…」
「じゃあ夢幻に言ってくる」
「ふふっ…呼びましたか?」
「うわっ…夢幻…」
「時間の許す限りどうぞ。私は森へ行かねばなりませんので…ごゆっくり」
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