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第48話
カナメside
「カナメ!大丈夫?」
「ケン…様?」
「うわぁ…辛かったね…今解いてあげるから」
突如現れたケン様を見つめる
「何故…ここに…」
「ん?明日ミヤビ様が戻るでしょ?だから屋敷に向かうところだった。そしたら…まぁ俺は鼻が利くからね。嫌なものを辿ってきたら」
「そうですか」
「ねぇ。サコンが憎い?」
「いえ…」
「サコンのこと…許してくれる?」
「えぇ…サコン様のことはわかっているつもりです…誰よりも…」
「うん。ねぇ…カナメ…」
「はい…」
「サコンを…ゆるしてあげて?」
「はい…」
わかっている。本当は…サコン様は周りに必ず誰かはいるけれど孤独だと言うこと…
皆はサコン様のお体と体液だけが欲しいと言うこと…
サコン様は唯一を作ることは禁じられている。南の主の宿命…
サコン様が危険にさらされたとき…きっと誰も盾にはならない…
結局は都合のいい相手でしかない…
俺はサコン様の良いところも悪いところも知っている。
何かあれば盾にだって矛にだってなる
それ故サコン様が俺に執着している…
わかっている…でも…俺は…ミヤビを諦めることはできない…
「ケン様…サコン様はどうすれば救われるのでしょう…やはり…俺は…ミヤビを諦めねばならないのでしょうか…」
「大丈夫だよ。もう…大丈夫…」
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