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第54話

ゆっくり目を開けると一番に飛び込んできた顔に自然と笑みがこぼれる 「おかえり。ミヤビ」 「カナメ。ただいま。みんなも急に開けてしまってごめんね」 その日は盛大に宴が開かれた 「ミヤビちゃん。おかえり!」 「ただいま。サコンさん」 いつもならケンさんと共に行動をすることが多いハクさんがサコンさんに寄り添っていた 聞けば西の軸の座を弟に譲り開いたカナメの席へ入る。南の従者となるそうだ だからといってハクさんはサコンさんのような妖力はないため側で見守るだけだそうだ カナメの代わりに盾になると柔らかく俺に話してくれた。 始めてみる表情にドキリと胸が高鳴る。 普段と全く違うので美しさが際立っていた。 「ミヤビちゃん。カナメあげたんだからハクにまで色目使わないでよね」 「使ってませんよ」 いつも以上に子供っぽい自然な表情に多少嫌悪感は和らいでいった これが本当のサコンさんなのだろう。これまで知らなかったサコンさんの表情はあどけなく可愛らしい 「ミヤビ。いいか?」 シンさんに呼ばれ誰もいないシンさんの部屋へ行く 「開けている間守り通してくれてありがとう」 「それが俺の役割だからな」 「でも。ありがとう」 「いや…。なぁ、ミヤビ。カナメから話は聞いたか?」 「聞いた」 「蒼。紅入ってこい」 「「失礼します」」 「さて。話は通っているよな?」 「「はい。聞いております」」 「これから一月ほどお前たちにはあちらのほうへ戻りそれをして欲しい」 「「かしこまりました」」 「話はそれだけだ。下がっていい」 「「はい」」 「ミヤビ。これがうまくいかなかった場合はお前とカナメは一緒にはなれない。カナメは北の従者としてお前につく。その他でお前には世継ぎを残すもの…女と契りを結んでもらう。わかっているな?そうなればカナメとの関係はただの主従関係となりそれ以上のものを持ってはならぬ」 「わかってるよ」 「ならばいい」

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