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第55話
少し外の風邪にあたりたくて庭へ出る
空には大きな満月。
久しぶりにゆっくり見る月はとても美しかった
「ミヤビ」
後ろから抱き締められる愛しい人の熱が心地よくて
「ミヤビ。体冷えちゃうよ?」
「うん。でももう少し…」
「ねぇミヤビ」
「ん?」
「サコンさん平気?」
「大丈夫だよ。ハク様がいるから…俺もまさかハク様が南に入るなんて思ってなかったから驚いたけれど」
「カナメの妖力はどうなるの?」
「変わらない。ただ南特有のあの妖力だけはサコン様に封じてもらった」
「それ封じてもどうせカナメはモテるんだろうけどね」
「ミヤビにだけモテればいい」
「お前を放って置く人いないでしょ」
「お前もな。なぁ。学校でも話しかけていい?休み時間の度」
「やだ…だって注目集まる。俺は目立ちたくない」
「でもさぁ…」
「だめだって」
「…わかった…」
「ミヤビ…好きだよ」
「うん…」
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