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第57話
それから毎日登下校を共にしている俺たちだからそれはそれは目立った
カナメが特定の人間とずっといることなんてこれまで一度もなかったからだろう
「なんか…学校つくまでに疲れちゃった…」
「そうか。大丈夫か?」
「ん…」
「まだ時間あるしちょっとどっかで休む?」
「ん」
校舎裏の人気のない池の側で休む
「なんか…結局こうなるならいつも一緒でもいいかもと思えてきた…」
「それは俺にとっては嬉しいけどね」
そういうと頭を撫でる
「もう…撫でるな…眠くなる…」
「昨日も忙しかったもんね…」
「ん…」
「保健室行く?」
「だぁいじょぶ…ふぁ…少しだけ眠らせて?」
「わかった」
夢想から戻り安定しているはずなのだが時間のずれのせいかとても眠たい…
目を閉じると蒼と紅の意識が入ってきた
とても辛そうだ…俺たちのためにこんなに…
『ミヤビ様…カナメ様…私たちは大丈夫ですから…だからそんなに苦しそうにしないで…』
二人がこちらをみて柔らかく笑った
「…ヤビ…ミヤビ…ミヤビ?」
「ん…」
「どうした?なんか嫌な夢でも見た?」
「蒼と紅の意識が入ってきた…儀式はやはり辛そうだ…それなのに俺たちに…苦しそうにしないでって…笑ってた…」
「そうか…」
「俺がお願いしなければ…あんなに苦しい思いをすることもなかったのに…」
「そうまでしてお前の希望を叶えたいなんて…ほんと…いい従者ばかりだな…サコン様は大丈夫だろうか…」
「カナメ…サコンさんの屋敷に行く?」
「ん…今日辺り行ってみるよ」
「うん。行っておいで。あ…もう時間だね。行こうか」
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