60 / 140
第60話
ミネside
カナメ様がミヤビ様のもとへ行くと聞いたその数日後サコン様は今まで見たことがないほどの焦燥感を漂わせていた
サコン様はカナメ様への信頼感が誰よりもあって離れられてしまうことが辛そうだ
私はサコン様の従者でありカナメ様の従者でもある。
そしてミヤビ様をお守りする役割もある
サコン様の様子が気になり様子をうかがっているとこれまで考えられなかったことがおきる
あの部屋にカナメ様は閉じ込められてしまう
私たちは何もできず行われることを見ておくしかできなくて…
サコン様の思いもカナメ様の思いもわかるから…
でも…流石にやり過ぎだと思いカナメ様の拘束を解きに行くとカナメ様は自分のことより私のことを心配してくれた。
とてもありがたく嬉しくもあった
そんなときサコン様に見つかってしまう
カナメ様は必死に私を庇おうとしてくださった
サコン様が少し嬉しそうだったが…カナメ様は気付いているのだろうか?
程なくしてハク様がいらして、続けてケン様が。そしてカナメ様は解放された
ハク様が南の従者となったときは大層驚いたがそのお陰かサコン様の表情が戻った
ようやくお二人の心からの笑みが見られ安堵した
矢先の出来事。私は南でも特別相手の気配を感じることができる
数学の教師から一ヶ月ほど前から嫌な気配が漂っていた。
おそらく教師本人も気づかぬ程の力…
それが今日ミヤビ様を呼び出した
ミヤビ様に警戒をしていただきたく急に話しかけると驚いたような顔をされたが柔らかく微笑んでくれた
でもまだこちらに戻られたばかり…心配で後をついていくとやはり人気のない場所へ。
これは大変とカナメ様に気を送るが戻ってこない。人間に囲まれていて気づけないのかもしれない
これは私が何とかせねばと踏み出した
ミヤビ様は全く気配に気づいてなくすべてを受け入れる覚悟をなさった
相手の高笑いが腹立たしい。そう簡単に消させない…
ともだちにシェアしよう!