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第71話

「この香いいね。なんか癒される」 「紅さんがわざわざ向こうから持ってきてくれたんだ。疲労回復にいいみたいだよ。儀式のあとはよく使うみたい」 「へぇ。そんなのあるんだね。ミヤビ。体大丈夫?」 「ん。少しまだ辛いけど平気。カナメ…ギュッとして?」 「いいよ」 カナメの広い胸に顔を埋めカナメの香りを目一杯吸い込んだ。 大好きな人の香り…優しく俺の髪を鋤くカナメの指先が気持ちいい…でも… 「なんか…シンさんの匂いがする…」 「え?…あぁ…やっぱり?」 「ん…もしかして蒼さんと紅さんの気に当てられた?」 「ん…ごめん…」 「大丈夫だよ。俺も…最中…カナメのこと忘れちゃってたし…あそこまで我を失うとは思ってなかった…」 「外にいた俺もそうだったからお前は相当だろうな…」 「とにかく甘くて…艶っぽくて…身体中熱くて…」 「はぁ…また俺でお前を満たしたいな…でも暫くは激しくできねぇしな…話は聞いたから」 「うん」 何をするでもなくただ抱きしめられているだけでとても安心して…幸せで…ゆっくり目を閉じた

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