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第72話

翌日には体力も回復し登校できた。これもあの香のお陰だろう 隣にはカナメ。もう周りの目なんて気にしていなかった。 覚醒したことで力の抑制も効くしおそらく対処もできる。 でもあの日の事がカナメにとってトラウマになってしまったようでカナメが離れたくないと懇願してきた カナメだって直ぐに察知できるようにもなったはずなのに本当に心配性。 「おはようございます。ミヤビ様」 「あ。ミネさん…あのさ…一応同級生ってことになってるし…学校では敬称いらないよ。っていうか止めて?ね?」 「あ…う…っ…」 「今日は一緒にお昼食べよ?他のみんなも誘って。今後の学校生活のことも話したいし」 「わかりました」 そして昼をむかえた… こうしてみんなで並んで貰うと…うん…普通の人間の集まりではないので…なんというか皆人間離れしたお顔立ち… みんなの人の姿をみたのはミネさん以外ははじめてで何だか不思議な気分… ミネさんは前髪を長くして目にかかっているからわからないけれどその眼鏡の奥の瞳はサコンさんと同じ金色で大きい。かなり可愛い。入学当初は眼鏡もなかったし髪も今ほど長くなかったそうだけれどまぁ可愛い故にかなり人に言い寄られたみたいでそれが面倒で今の形に落ち着いたそうだ。陰気な雰囲気を敢えて出して今は過ごしているのだがそれもまた防衛術だ 西のクロウさんは背が高くモデル体型。切れ長の鋭い眼差しが印象的な人。この人の存在は全く回りに興味がなかった俺でも知っていた。 いつも多くの人に囲まれていてでも全く笑顔を見せないクールな王子様という感じだった 東のトウノさん。ケンさんのところだからかいつもニコニコしていて社交的な人。この中で一番元気一杯。体系的にはカナメと近いけれどそれよりもまだガッチリしている。鍛えられた四肢がすごく目を引く。顔は可愛い感じなのに引き締まった体のラインとのギャップが何とも言えない 蒼さんと紅さんは中性的な顔立ち 蒼さんは瞳がその名と同じく青い。髪色もまた然り。鬼にも関わらずどっちかというと華奢に見える。紅さんは双子だからか違うのは髪色と瞳。いくらか蒼さんよりは背が低くそして蒼さんよりは華奢。とはいえ一般の華奢な人とはまた違う…周りが筋肉粒々な物が多いからそう見えるだけ…二人は…うん…美人だ。並ぶと絵になる。特に紅さんはその醸し出す雰囲気が色っぽい…男の俺でもくらっとするほど 「なんか…このまま雑誌作れそう…みんな綺麗すぎ…」 先程から周りの視線が気になる… それはそうだろう…普段目立たない俺がこんな人たちを引き連れているんだから…いじめとかありませんように…人の憎悪ほど恐ろしいものはないから。自分の提案に多少後悔していた。 人気の少ない校舎裏でお弁当を広げるけれど…ずっと…見られてる… 「なんか…ごめんね?」 「いえ。一応音は遮断できるよう施しておきましたから周りに私たちの声が漏れることはありません。それと…少し人払いをしてきます」 そういい立ち上がるクロウさんとトウノさん。程なくして戻ってきたクロウさんは…少し胸元がはだけていた…トウノさんはまだ戻らない 「お待たせしました」 「…クロウさん…トウノさんは?」 「あぁ。バカ犬ならもう時期に…先に食べましょう」 「え!!待っててあげようよ」 「いえ。大丈夫です」 食べはじめてしばらくするとボロボロになったトウノさんが戻ってきた 「ちょっとークロウ!!酷くない!!」 「は?あなたが愚図なのが悪いのです」 「なんだよー」 「トウノさん…その姿…」 「あ…すいません…お見苦しくて…鬼ごっこしてました」 「は?鬼ごっこでそんななる?」 「すいません…夢中になっちゃって…」 「ミヤビさ…ミヤビ。いつものことですのでお気になさらず。こいつは何分バカの塊ですから」 「えーっ!!ミネまで…酷い。泣いちゃうよ」 「うるさいです。ミヤビさ…ミヤビの貴重な時間を割いていただいているのですよ?早く食べなさい」 三人のやり取りを蒼さんと紅さんは微笑ましく見守っていた 一先ず今後暫くは小物の妖者はやって来ないはず。なぜなら覚醒したから。 でも覚醒したから逆にやって来るものもいる。ただの奴じゃない。恐ろしく凶悪なもののはず。 そこでカナメが授業で休み時間これない場合は他の人たちと共に過ごすことになった。 学校の廻りに結界を張り巡らせる。 学校は関係ないのだから。ここにいるのは皆人。巻き込んではならない… 「…早速…お出ましか…」 「みーつけた!!東條!!お前の力貰い受ける」

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