74 / 140
第74話
いつものように1日が過ぎもう放課後
「ミヤビ」
「何?」
「家に寄っていいか?」
「うん。」
「今日は親父がいるからお前を連れてこいって…一緒に…頼む…」
「いいよ。俺会ったことあったかな?…」
「どうだろうな?」
カナメの家は学校と俺の家の真ん中位にある
「ただいま…」
「おかえりー!!カナメくーん!!」
何というか…意外だ…相当美人だし背も高いし…なのに…花が見える…ほわほわしてる…カナメの父だからカナメみたいに口数が少ないと思ってた…けど…
「わぁ!!ミヤビ様!いらっしゃい。大きくなったねぇ…会いたかったよ!!」
「わっ…」
急に抱きつかれ後ろに倒れそうになるのをカナメが支えてくれた
「あ。ごめんごめん。つい…いらっしゃいませ…」
先程から声色を変え跪くカナメの父。その姿の方が見た目に合っている…でも…
「顔をあげてください。急にお邪魔して手土産も持たず申し訳ございません」
「私が無理に呼んだのですからお気になさらず…」
「あの…そんな畏まらないで下さい。ね?」
「では…いやぁ!!本当に…可愛いねぇ。カナメが魅了されるのも無理はない、うん。サコン様も先ほどいらして絶賛していたよ」
「親父…五月蠅い…上がらせてくれない?」
「あぁ!!ごめん!どうぞー!」
家の中は…何というか…うん…ここも意外だ…部屋の中は花が沢山飾られていてなんだか…壁紙や家具や食器なんかも可愛らしい…凄く…ファンシーだ…
部屋を見回していると何か察したのかカナメが
「あ…これ…親父の趣味…」
すごく恥ずかしそうに言う。
「いいでしょ?ママもね花が大好きだったんだよ」
「そうなんですね。」
「なのにねぇカナメったら恥ずかしいって言うんだよ。酷くない?」
可愛い…この人…
頬をぷっと膨らませてカナメを恨めしそうに睨む…その姿なんか…悶えそう…可愛すぎる…
「ねぇ…カナメ。お父さんは。普段もそんな感じ?」
「ん?普段?仕事の時?」
「うん」
「あぁ…さすがに大人しくしてるよ」
「うん。仕事ではあんまり喋らないよ。シングルファザーだからあんまり話すと世話焼きたがる人が無駄に構ってくるのが面倒でね…
何かさぁ…周りの俺の評価ってさぁ。本当の俺とは真逆なんだよね…うん…面倒…愛想笑いも面倒…でも雇ってもらうからにはやることやらないとね。カナメ食べさせなきゃ!!」
「…なんか…」
「どうしたの?ミヤビ様。」
「可愛いですね」
「へ?俺が?こんな成りの俺が?いやいやいや…ミヤビ様が可愛い」
「っ…かぁわぁいい…」
「おい…ミヤビ…落ち着け…ただのおっさんだ…ちゃんと見ろ。気持ち悪いだけだ…」
「可愛い…やばい…どうしよ」
思わず両手で顔を覆う…やばいやばい…これがギャップ萌えって奴?どうしよ…可愛い…
「ミーヤービー!!」
「ひゃい」
「ははっ…ミヤビ様声裏返ってる…可愛い…あぁ…こんなに可愛い人が俺の息子になるのかぁ…はぁ…幸せぇ…二人の子供なら絶対絶対可愛いし…あぁ…たのしみぃ…」
その後はカナメのお父さん…翠玉さんお手製のケーキと紅茶を頂いた
「おいしぃ!すごい。本当のケーキ屋さんみたい」
「よかった。そう言ってもらえて。ミヤビ様はお料理するの?」
「えぇ。好きですよ。でもお菓子作りはあまりしたことないですね。今度作ってみようかな。後で作り方教えてください」
「いいよぉ!!すごく…すごく家族っぽい…嬉しい…」
「ごちそうさまでした。お邪魔しました」
「うん。またおいでねぇ。いつでも」
「はい。じゃあまた」
「送ってくる」
「うん!行ってらっしゃい。気をつけてね…あ!!そうだ!!ちょっと待って」
トタトタと掛けていって戻ってきた翠玉さんの手にはさっきのケーキとお守りが握られていた
「翡翠もらったでしょ?雷さまから」
「はい。」
「うん。その翡翠の力を強くするためのものだよ。一緒に持っていて」
「ありがとうございます」
「じゃあねぇー」
両手をブンブン降りながらニコニコで見送る翠玉さんに悶えながらカナメの家をあとにした
ともだちにシェアしよう!