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第78話

「…何?どうしたの?…シンさん」 いきなり強い力で押し倒されていた。 「シンさん?何で…そんな顔…」 「っ…すまん…」 「シン…さん…?」 ゆっくり起き上がり俺を離したシンさんは俯いた 「何でもねぇよ」 「…そう…?」 「驚かせて悪かった…まぁ。俺はそう急がなくてもまだ先が長いから…いつかは…な…」 「シンさん…」 先程まで苦しそうだったシンさんはまたいつものように笑っていた 「ところでミヤビお前は体は平気なのか?」 「大丈夫だよ。儀式後に紅さんが香をくれてお陰ですっかり」 「そうか。よかった。無理はするなよ?」 「わかってるよ」 「シン様」 「蒼か?入れ」 「どうした?」 「紅の子がもうすぐ…」 「そうか。私が向こうへ連れていこう。蒼も来るか?」 「はい。」 「ミヤビ直ぐに戻る。お前はもう休め」 「わかった。ねぇ。紅さんの赤ちゃんは直ぐにこっちに来るの?」 「あぁ。俺たちの成長は早いからな。生み落とした後すぐ戻る」 「わかった」 シンさん達を送り出し自室へ戻る シンさんのあの苦しそうな顔が忘れられなかった…シンさんの思い人って… 自分の考えに頭を振る まさか…ね…

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