79 / 140
第79話
それから1週間。紅さんに手を引かれ小さな子が連れてこられた
「可愛い!!名前は?」
「ぜひミヤビ様に命名していただきたくて…」
「俺で良いの?」
「はい」
「…嬉しい…それなら…うーん…
桜に緋色の緋で桜緋(おうび)…桜のようにみんなから愛でられて欲しいし瞳が紅さんに良く似たとても綺麗な緋色だから…どうかな?」
「ありがとうございます」
「男の子?女の子?」
「男です」
「そっかぁ。なら…桜緋くん。これからよろしくね」
「よ…よろしく…お願い…しま…す」
まだたどたどしい言葉が可愛い…
「可愛い…」
抱きしめぐりぐりしていると桜緋くんはくすぐったそうにしていた
「可愛い…」
「ミヤビ…いい加減離してやれ」
「はぁい…」
「桜緋。あっちへ行こうか」
桜緋くんの手を引く紅さんはもうすっかり母の顔をしていた。
「紅さんは良いお母さんになるね」
「そうだな。蒼もついているしな。そう言えば今日はカナメは?」
「そう言えば遅いねぇ…」
いつもならとっくに来ている時間なのに姿を誰も見ていない。
カナメのスマホにも連絡をしてみるけれど繋がらない
自宅にかけると翠玉さんが出た
「おはよう。翠玉さん。カナメはまだそこにいますか?」
後ろから凄い音が響いている。その音に驚き受話器を取り落とす。それを取りシンさんがさけぶ
「翠!!翠!!大丈夫か!!」
「何?どうしたの?」
「何でそこに…ミヤビ。着替えろ。行くぞ」
ただ事ではない…どうしたというのか…
急いでカナメ自宅へ向かった
ともだちにシェアしよう!