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第82話
翠玉side
因縁の相手がまさかここまで乗り込んで来るなんて…
劉は生まれが同じだ。昔から俺への執着は普通ではなかった。
お互い親の無い私たちは支え合い生きてきた
あるときからあまりの執着に恐怖さえ覚えてきた。そんなとき南の主さまが私を南へ迎えた。
南の話しは良く聞いていたし俺たちの村からも何人も贄として捧げられてきた。
行けばそういう行為が避けられないこともわかっていたが既に俺は生きるため多くの者と交わっていたため抵抗はなかった。
劉もそのうちの一人だ。
劉とは話もせず別れた。
そのため劉は俺に焦がれ数人の者を連れて何度も私を奪いに来た。その度返り討ちに合いいつしか姿を見せなくなり数百年…まさか未だに俺を追っているとは…確実に手に入れるため力を蓄えたのだろう。
その証拠に俺と大差なかった体格も大きくなり力も強くなっている。それを肌で感じた。もうほぼ妖力もない俺は敵うはずはない。
出来る限りの抵抗を…少しでも時間を稼ぎたい…シンたちを待ちたい…カナメを…救いたい…
なのに何も出来ない…もどかしい…
「劉…やめろ…」
「息子の前で乱れる姿を見せろ。啼け…俺のために…」
「っ…あっ…」
「相変わらず…お前の声は可愛らしいな…翠玉…」
劉が弱いところを攻め立てる…俺は甘い声をあげ続けるしかなかった
カナメside
弄ばれる親父をどうにかしてやりたいがどうすることも出来ない…
艶かに啼く親父の声を聞きながら目の前をどうにかするしかなかった
しかし絶えること無い相手に俺ももう限界が近い…
「くそっ…」
こういうとき俺が半妖であることを思い知らされる…完全なる妖なら…もっと出来るのに…
「翠玉。ほら見てみよ。お前の息子ももう限界のようだ…もう…聞こえないか…。沢山出したもんな…可愛かったぞ…でも…まだ足りない…ほら起きろ」
「劉…」
「まだ寝るのには早いよ?俺まだ満足してないから…」
そしてまた行為が始まる…
「カナメ…っ…」
ついに俺は膝をついた。もう動けない…
「あーあ。もうダメみたいだよ。息子」
「カナメっ…」
「息子好きにして良いよ。もうすぐ北の者たちも来るだろう。それまで楽しみな」
「はい」
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