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第83話
カナメside
もう全身に力が入らない。
俺の妖力は欲と共に放出されていく
「翠玉。すごいでしょ?欲を吐き出せば吐き出すだけ俺はそれを己の妖力に変えられる。吐き出してしまった者はただの人になっていくんだ。お前の息子ももう従者としては使えなくなるね。その代わり俺が息子の妖力を存分に使えるんだ」
「カナメっ…カナメっ…」
「親父…ごめん…」
「劉!!」
「久しぶりですね。サコン様。翠玉もカナメももう使い物になりませんよ。俺の玩具になってもらいます。力が無いものを側に置いても意味はないでしょ?」
「カナメ!!」
「…ミヤビ…」
「貴方さまが…美しいですね…その姿なんて翠玉でさえ敵わない…」
「貴方は…何がしたいのですか?」
「私はあなたに成り代わりたい。ここら一体を治めたい。それだけです」
「させるか」
「おや。シン様まで出向いて頂けるとは…」
あぁ…何て歯痒い…どうしてこんなにも弱いのだろう…これでは…俺は役に立てない…ミヤビを守れない…
こんなやつらに…好きにさせるなんて…妖力を奪われるなんて…
そのまま意識を手放した
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