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第84話
精鋭たちを集め中に入ると体が浮きその刹那空間が歪み引き摺られる…
「これは…」
「思いの外…」
地に足がつき、目の前の光景に固まる…
何も身に付けていない翠玉さんとカナメが多くの妖ものに弄ばれていた。
もう既に焦点も合わずただ甘い声を上げる二人。
あまりの光景…声を発したのはサコンさんだった
「劉!!」
「久しぶりですね。サコン様。翠玉もカナメももう使い物になりませんよ。俺の玩具になってもらいます。力が無いものを側に置いても意味はないでしょ?」
「カナメ!!」
「…ミヤビ…」
苦しそうに俺の名を呼ぶカナメ…
「貴方さまが…美しいですね…その姿なんて翠玉でさえ敵わない…」
まとわりつくような視線で覚醒した俺の姿をじっくり見て舌舐めずりする奴…
「貴方は…何がしたいのですか?」
「私はあなたに成り代わりたい。ここら一体を治めたい。それだけです」
「させるか」
シンさんが放った閃光を簡単に弾き飛ばす
「おや。シン様まで出向いて頂けるとは…」
「貴様…」
「昔の俺じゃないですよ。カナメの力と翠玉の力も貰いましたしね…」
カナメの力は強大だ…苦戦することは必至だ…
さて…どうするか…少し間違えば直ぐに俺たちは…
「お久しぶりですね。劉…」
「ハク…」
「まだそんな下衆なことを?下らない…」
「負け惜しみかい?ハク」
「いいえ。下らない。言葉通りです。いくらカナメの力を得ようとそれを使えなければ意味は果たしません。さぁ。使ってみなさい」
「あなたも相変わらずですね。その見下した姿勢…あなたを屈服させましょう…」
劉が手を振り上げる。
カナメの術が繰り出される…早い…カナメよりいくらか早い…
「ちっ…」
「ふふ…ね?ハク。昔の俺とは違うのですよ」
「どうでしょうね」
「取り敢えず…回りのごちゃごちゃうるさい小物たちを掃除しましょうか…」
それからは早かった。強いのは劉のみ。残りはただの寄せ集めだ。しかし数が多い…
「面倒ですね…」
すると突然強い光が空間を覆った…そこにいる誰もが目を閉じる。
光が弱まり目を開くと先程まであった空間の歪みはなくなっていた
何が起きたのだろう…光の中心を見る…
「ミヤビ様…ご無事ですか?」
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