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第89話
桜緋の力は本人はまだ気付いていない
それは目覚めた桜緋を見ればわかった
何でも数千年に一度大きな力を持つものが生まれるらしい
おそらくそれが桜緋なのだとシンさんはいう。
「運命の子だな」
この力を持つものはあちらの世界で崇められる。
だからしばらくすれば桜緋はあちらへ戻らねばならない
「僕はどうなってしまうのですか?」
「お前は俺たちを従える主になる。そして行く行くは天界の一族となるのだ」
「そうなれば僕は母様や皆といられない…」
「そいうことだ」
「やだ…寂しい…」
「それが定められた運命。抗うことはできぬ」
「シーンちゃん!」
「雷さま!何故ここに」
「ん?桜緋ちゃん迎えにきたんだよ」
「は?あまりにも早すぎるのでは」
「だって上の指示だから。この子は人界にいては生きていけないほどの能力だよ?自分が望まなくても人を傷付ける。そんなこと望んでないでしょ?」
「ですが…」
「でもねまだ母が恋しかろ?だから紅ちゃんも一緒にあっちにいくよ。蒼ちゃんもね」
「「え!!」」
「そゆことだから新しい従者用意しなね。んじゃ」
雷鳴が轟く次の瞬間には蒼さんも紅さんも桜緋も姿を消した
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