99 / 140
第99話
「お久しぶりです。ミヤビ様」
それはあまりにも突然のことだった
「蒼さん…紅さん…桜緋…どうして…」
「私たちのお役目は終わったようです。こちらでまたミヤビ様の元で桜緋が術を使えるようになるまでお世話になるよう言われました」
「そっか」
「ミヤビ様っ!!」
やはり…鬼の成長は早い。
「桜緋…大きくなったね」
「はい。鬼ですから」
あんなに小さかった桜緋は今はもう蒼と紅の背を追い越していた。勿論俺は随分と差がつけられてしまった
もともと紅さん譲りのきれいな顔立ちだったがそれが際立っていた
「やっとミヤビ様にお仕えできます。よろしくお願いします」
「よろしくね」
そんな話をしていたら
「やっほー。ミヤビちゃん」
ヒラヒラと手を振りながらサコンさんがやって来た
「サコンさん!!」
「紅と蒼より優れた子達が育ったから向こうに気に入られてそのままみんなを引き取ってきたよ」
「そうなんですか?」
「うん!」
「一体誰が…」
「ん?瑠璃と珊瑚だよ」
「え?」
「あの子達は元々天界の人たちのために育ててきたんだ。あの子達はね元から南の中でも見た目がいいんだけど変化は勿論だし相手の心情を読み取ることが誰よりも長けているんだ。相手の願望が手に取るようにわかるし相手の好みもよくわかる。体力もあるし技術も申し分ないんだよね。あっちのつくりも別格だよ。二人は自ら望んで向こうへ行った。だからもう大丈夫だよ」
「そうなんですね」
「それが南の役割だからね。紅と蒼は暫く休ませてあげて」
「はい。」
「後ね桜緋は向こうで戦闘も教養もかなり教え込まれてる。直ぐにミヤビちゃんの従者として動けるよ。おそらく二人より能力は高い」
「ミヤビ様のお役に立てるよう精一杯仕えます。よろしくお願いします」
ともだちにシェアしよう!