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第101話
卒業式
人と関わらなかった俺に今は話しかけてくれる人も増えてきた
皆が一緒に守ってくれる。俺もここにいる人のことも。
だから自分からも話しかけるようにした
だからかこれまではなんとも思っていなかった卒業式が酷く寂しくて思わず涙が出そうだった
それから放課後になると何故かやたらと呼び出された。
カナメもミネさんもまたしかりで…
「ミヤビ様」
「え?様?また?」
何故か呼び出してきた皆が様をつける。不思議だ…
「ミヤビ様!好きです!初めて見たときから好きでした。今はカナメとお付き合いしてることわかってます…でも伝えたかった…好きです」
「ありがとう。ごめんね。これからもっと素敵な人に出会う。だから…」
「はい!!お話聞いていただいてありがとうございました」
これで何人目かな?こんなにも俺を思っている人がいるなんて思いもしなかった
帰る頃にはもう夕方。
お断りをして涙を見せる人もいた。胸は痛いけれど俺はカナメでないとダメだから…
「ミヤビ!」
「カナメ」
「お疲れ様。お前のこと思っていた奴沢山いたろ?お前はねその顔とか立ち振舞いでかなりモテてたんだよ。だからこそ同盟的なの出来て勝手に抜け駆けして話しかけることは禁じられてた。すごいよな…みんながそのルール守り通したんだから。卒業式時にそのルールは終わりってことまで決まっていたから今日のあれだよ」
「そんなのあるなんて知らなかった…カナメにもミネさんにもそういうのあるの?」
「ミネにはあったぞ。俺は無かったけど」
「あぁ…カナメは節操なしだもんね」
「うるさい。今はお前一筋だし」
「ミヤビ様!」
「ミネさん。お疲れ様です」
「お待たせして申し訳ございません」
「すごいプレゼントの量だね」
「押し付けられちゃって…捨てるのも忍びなくて…」
「手伝うよ」
「いえ…そんな…」
いくつかの荷物を持ち3人で学校を後にする
「なんか…色々あったねぇ。」
「そうだな」
暫く校舎を見つめ背を向けた
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