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第4話
「大丈夫かよ?世話のかかる」
俺の中に飛び込んできたのは女の子みたいに華奢で甘い香がする温かいモノ。女の子を抱き締めた事なんてないけれど、こんな感じなのかな?
少し照れたけれど、頭打ってるみたいだからとりあえずはベッド。あ!!別にやましくない!怪我人なのだからやましくないのだ……って誰に言ってんの俺。
「あの……僕の事怖くないんですか?」
ベッドに降ろすとこれまた可愛い顔で俺を見てきた。怖いよりも可愛いだろ?と言いたい。
「えっ?こんなドジっ子のどこが怖いわけ?で、お前、本当は何?」
可愛いけれど、得体の知れない何かなのは確か……窓すり抜けてきたしな……7階なのに。
「何って?死神ですけど?見て分かりません?ほら!」
死神を主張するこのかわい子ちゃんはマントを広げて見せて、そして、何かを探している。キョロキョロと。
そして、何かを見つけたのかベッドを降りてさっきの場所に慌てて戻り、
「あああ!!!僕の!僕の鎌がああ!!!怒られる!先輩に怒られるうう」
なんて、叫びながら転んだ。
「痛い!!」
何をやってんだ!何を!!
見事に転びやがった。
「あーあー、もう!お前は落ち着きがないよな?そんなんで死神とか言われて信用すると思ってんの?」
俺は側に行き……言葉をかけた後にガッカリとビックリを同時に感じた。
それはマントがめくれてお尻丸見え……つーか、こいつ……ノーパン!!パンツ穿いてない。なんでだよ?しかも、チンコついてやがる。
「……つーか、お前、顔可愛いからひょっとして女の子かと思ってたけど男の子なんだな……」
可愛い女の子じゃなくて残念だけど、もし、女の子だったらノーパンやばくねーか?
俺に指摘されて真っ赤になり慌ててマントで隠した。
「何で下着穿いてねーんだよ?」
聞いてみる!変態かよ?的な?
「こ、これは……先輩のお、お仕置きで」
しかも、信じられない事を言うし、お仕置きって……おい!良くエッチな同人誌とかAVとかでしか存在したいやつだろ?
「は?お仕置き?えらいエッチなお仕置きなんだな……先輩って奴とお前って恋人同士なのか?」
先輩って何だよ?女の先輩?コイツ、ショタって生き物になるよな?可愛いし……エッチな女の先輩に?これもまた、エロネタだな。
「ち、違います!先輩は先輩です」
「先輩に何やらされてんだよ?虐めか?」
「ち、違います!先輩は優しいんです!ただ、僕がちゃんと出来ないからそれで」
必死に先輩とやらを庇う……コイツ、小さくて可愛いから虐められてんじゃないかな?大丈夫かな?
「何庇ってんだよ……お前、騙されてんじゃないのか?大丈夫かよ?」
つい、可愛くて頭を撫でた。小動物みたいに可愛い……いや、子供か?幼稚園くらいの。
「お前、名前なんて言うの?」
肝心な名前を聞き忘れていた。名前聞いたら、
「えっ?あ、あの、お兄さんこそ名前教えて下さい」
また、名前を聞き返された。
「何でそんなに名前聞きたいんだよ?」
「優しいから」
「は?」
優しい?それって名前聞く理由になるのか?コイツ、本当に面白い。つい、笑ってしまったじゃないか!
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