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第7話

道案内をしている間、色んな話を聞いた。 ハマっているマンガやアニメとか色々。でも、必ず先輩が面白いって言うからとか、先輩にどうして貰ったとか……本当に先輩の事ばかりで少し嫉妬しそうだった。 「先輩は1番カッコイイんです!憧れる女性も多いんですよ」 とニコニコして言われて、その時にやっと先輩が男だと気付いた。 エッチな女性先輩ってAVの中にしか存在しないよな? でも、エッチな男の先輩は腐る程に存在するから腹立つ。 こんなに可愛い子にエッチな事したりしてるんだろ?キスとか……お仕置きで下着穿かせなかったりとか……。 うわあ!!!薄い本かよ!! 「あ!!ここです!」 「へ?」 急に言われて顔を上げると一軒家。その入口におじいさんが立っていた。 「お待たせしました!」 「おお!!これはこれは可愛い天使だな」 おじいさんはニコニコして、ヒナだっけ?ヒヨコだっけ?彼を見ている。 「ぼ、僕は死神ですよ!!ほら、鎌もあります!黒いマントも」 可愛くくるりと回る姿はどう見ても死神というより少し中二病にかかった子供みたいで可愛らしい。 「うんうん、良く似合うよ」 おじいさんはヒナの頭を撫でる。 「それじゃあ、行きましょう」 おじいさんにそう言った後に俺を見て「道案内ありがとう」と頭を下げた。 「ううん……こっちこそありがとう」 俺がそう言うとキョトンとした顔をしていて可愛かった。 本当にこの子は死神なんだなあ……と思った。 手を振ってサヨナラした。 また……直ぐに会えると思う。

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