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逢瀬 札幌編 6 ♥
「・・・も、無理・・・あぁ!」
無理でもダメでもなんでもいい、許してやるつもりはない。
「俺を素通りしようとした罰だよ。」
「や・・も・・・とって!イカせて!」
答える変わりに下から突き上げると和泉の身体が跳ね上がった。
完全に勃起した先はパンパンに膨らんでダラダラと液をこぼしながら揺れ続けていた。シリコン製のコックリングと共に揺れるペニス。根元だけではなく陰嚢も締め付けるタイプだからより快感を長引かせるだろう。そしていつもと違って血液や精液の流れが遮られているから苦しくもある。
長く続く快感は責苦になりうるから、今日のような仕置きにはちょうどいい。
濡れそぼった亀頭を撫でまわすと和泉の中がきつく締まる。
「ああっ!」
絶頂を迎えた中のうねりが病みつきになりそうな快感をもたらす。イク感覚があるのに、いっこうに吐き出せないもどかしさに和泉の目から涙が零れた。騎乗位で下から突き上げられ、ペニスを刺激されているというのに、射精できない。
締めつけられたペニスと陰嚢が快楽を持続させ思考も理性も奪われた状態にある姿は頭の芯を痺れさせるほどに扇情的だ。
「俺に逢いたかったか?」
「ああ・・・いやだ・・・やだ。」
「逢いたくなかったのか?」
「・・・こんなんされ・・・・いかせて!とってぇ!」
「逢いたくなかったのか?俺は聞いているんだよ、和泉。」
腹の上におかれていた両手が肩を掴む。
近付いてきた顔は涙に濡れ、こめかみからポタリと汗が滴った。
「あ・・・いたかっ・・た。」
「どうして我慢した?」
「こ・・わくて。」
ゾクリとした衝撃が背筋を這い上る。歓喜が身体を駆け巡り、和泉の中で自身が大きく膨らんだ。
「ああっ!」
「気持ちいいか?」
「き・・もち・・い。」
「和泉が気持ちよくなれるのは俺とのSEXだ。わかるか?」
「ん・・くっ。も・・・お願い・・・も・・やめ。」
快感に翻弄されすぎたのか、やめてと言いながら腰の動きは止まることが無い。快楽の源に擦りつけるように前後する動きを見ながら胸に手を這わせる。
ギュルンと中がうねり、また達したらしい和泉はぐったりと俺にもたれかかった。
首筋に顔を埋めながら懇願する。
「も・・・意地はらんから・・・いかせて・・・もう堪忍。気が狂いそ・・。」
「ちゃんと逢いたいと言えるか?」
「毎日でも逢いたい。我慢・・・の積み重ねや。言ってしまったら、終いなきがしてん。」
「言わない方がお終いになる。俺はそんなに気が長くないからな。」
身体を反転させ、ベッドに和泉を押し付ける。
「イキたいか?」
「ん・・。」
「次から我慢は無しだ。約束できるか?」
「する。あああ!!」
正常位で一突きすると背中が仰け反った。その反応に満足し、ズルリとペニスを引き抜く。
「なんで!も、意地悪せんといて!!」
子供のように泣きながらしがみ付く男をこれほど可愛いと思える自分・・・相当煮詰まっている。
「外してやるから。」
縋るように握られた腕をやんわりほどき、デスクに備えられている椅子を廊下に置く。
窓のある壁面の反対側、浴室をぬけクローゼットがある壁面には姿見。
ニヤリと口を歪めてイスの背もたれを握る男が、鏡の向こうから見返してくる。
ベッド脇にもどり、手を引くと和泉は素直に起き上がった。
「歩けるか?」
「ん・・・。」
浴室でコックリングが外されると思ったのか、バスルームのドアノブに手をかける和泉をやんわり止めた。そのまま手を引き椅子が置かれている先を指差した。
「和泉がイクところを二人で眺めようじゃないか。」
和泉の足が止まる。
「外さなくていいのか?赤黒くなりはじめているぞ。長時間つけているのはよくない。
俺の前で恥ずかしがるのは止めた方がいい。俺はやると言ったら聞かない男だ。羞恥心は俺といるときは捨てれば楽になる。」
閉じられた瞳から一筋の涙。あまり泣かしてしまうと部屋に戻った後の言い訳ができなる。
なんだか可哀想になって抱きしめキスをした。
「泣かせるつもりはなかった。」
「・・・。」
「和泉が欲しくて・・・気が狂いそうで・・・すまん。」
唇を重ねれば、ちゃんと反応が返ってくる。
そのまま壁に体を押し付け後ろから押し入った。
「ああぁつ!」
繋がったまま、椅子に移動して軽く腰掛けた。鏡に映る二人のあまりにも具体的すぎる姿に危うく達しそうになり目をつぶる。
「外してって!」
悲鳴のような和泉の声はゾクゾクする感覚とともに、俺を喜ばせるだけだ。
和泉のペニスはパンパンに膨らみ、見るからに苦しそうだ。
その先端にゴムを被せる。
「ああ・・なん。」
「鏡にぶちまけるか?掃除が面倒だ。」
「なに・・いって・・・ああああ・・・も・・。」
シリコンラバーのコックリングは驚くほど伸びる。まずは陰嚢の拘束を解く。
「あああ・・・・あっ!」
ギュウと一際きつく根元を左手で握り、右手でコックリングをはずした。
「なあ、和泉。俺が嫌いか?意地悪過ぎて嫌いか?」
「も・・イカせて・・・無理。」
「俺が嫌いかと聞いている。」
いっそう強く扱きあげると和泉は背中ごともたれかかり、呼吸が荒くなった。
「なぁ・・・静・・・堪忍・・・も・・あああ。」
「俺が嫌いか?」
「もういやや思っても・・・消えてくれへん。だから・・・嫌い・・・や。」
「俺は頭がおかしいと思うくらい、お前を求めている!」
良い場所を突きあげるように擦りつければ和泉は虚ろな表情で腰を振った。
その姿は父親でもなく、夫でもない単純な一人の男の顔だった。
俺のものだ
沸きあがる確信とともに堪えきれない射精感が身体の中をのたうち暴れた。
もう・・・。
きつくしめあげていた和泉の根元を解放する。
「あああああ!!!」
絶頂に跳ねる和泉の身体をきつく抱き締めながら思い切り爆ぜる。
俺達は誰も共有できない二人だけの時間の中に生きていた。
それを得て・・・少し泣きそうになる。
やはり和泉は・・・離してやることはできない・・・。
俺のものだ。
俺が欲しいと願う唯一のものだ。
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