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それって媚……編 7 トロトロ……
「や、ぁっ……千尋さんの指、らめ……ぅ、ン」
自分の零す声の甘さと、言葉の舌っ足らずさに、自分の身体をぎゅうって抱き締めた。
「中、トロットロ……」
「や、言っちゃ……ぁっ」
お尻のとこ、千尋さんの長くて骨っぽい指が入ってくの気持ち良くて震えた。
「くぅ……ン」
抜けていくのも、気持ち良くて。
「すげぇな」
「ひゃ、あっ、あ……っ……あ、あぁぁぁっ」
ぎゅっと自分を抱えて、米俵のようにまんまるくなったまま、くちゅくちゅと身体の奥を指で可愛がられながら、震える肩に歯を立てられただけで、また。
「もともと敏感なくせに……」
「あ、千尋、しゃ……ン」
もう何回イッちゃったのかわからないくらい。ずっと、ずーっと気持ちいいまま。ふわふわしていて、指先がジンジンしてる。けど、触れられるとそこから電気が発生するみたいにビリビリって刺激が肌に刺さるみたいだ。
「バスタオル、山ほど持って来て正解だったな」
「あ、ごめっ」
謝ろうと思った俺のおでこに千尋さんがキスをくれた。
「苦しい感じはあるか?」
「あ……」
優しい声なんだ。
「ない……です」
怖い顔してるし、低い声で怒るとまるで大魔王様ですか? ってくらいに迫力あるんだけど。
「少しでもどっかおかしく感じたらすぐに言え」
「は、い」
でも俺をすごく大事にしてくれてる。
「なぁ、環」
「?」
「そろそろしがみつくの自分の脚じゃなくて、俺にしろ」
「……ぁ」
「環」
優しくて甘い声なんだ。
「あっ……ン、千尋、さん」
三年経っても変わらずこの声にトロトロにされちゃうんだ。
「あっ……」
指が抜けて、俺は自分の膝を抱えていた腕を大好きな人へと伸ばして、その逞しい首にしがみつく。
「あぁっ……あ、あ、あ」
脚をいっぱいに拡げて、千尋さんのを――。
「あ、あぁぁぁっ」
「っ」
「あ、やだ、また、イッちゃった……」
「中、すごいぞ」
「あ、あ、あ、らめっ……まだ動いちゃっ」
もう三年も経って、何回もしてもらったのに。
「あ、あ、あ、あ、動いちゃらめ、今、気持ちぃの、がすごい、のに」
何回も、何百回もしてもらったのに。
「あ、あ、千尋っしゃ……ン」
「あぁ」
「あン……ン」
気持ち良すぎて。
「やぁ……ン」
「っ」
「動いちゃ、や……ぁ、また、イッちゃう」
「あぁ、何度でもイけ」
「くぅ……ン」
トンって奥を千尋さんので突かれて、鼻にかかった甘い、まるで子犬みたいな声が溢れた。
「上手じゃない、か……」
「? ぁ、千尋、さん?」
「俺もだよ」
「?」
深くまで俺の中に全部挿れて、千尋さんが苦しそうにかっこいい顔を歪めてる。
「何回、お前のことを抱いてもセーブすんのに必死で全然余裕がない」
中で、ビクビクってしてる。動いてないのに。千尋さんの。
「お前が仕事でヘトヘトになってても、触りたくてしょうがねぇし。少しは余裕持てよって思っても、まるで高校生のガキみたいに同じベッドにお前がいるだけで止められなくなるし」
わかっちゃうんだ。俺、千尋さんとしかしてないもん。俺の身体は千尋さんしか知らないから。もう、全部千尋さん仕様でさ。
「あっ……ン」
「お前のその可愛い声聞いただけで」
「あぁっ!」
俺の、お腹の奥のとこ、千尋さんの形になっちゃってるから。
「あ……千尋、さん」
わかっちゃうんだ。
「俺、ね、下手だけど」
俺の中で気持ち良さそうって。
「ちっともエロく誘えたりしないけど」
ビクビクってしてる。ほら。
「でも、いっぱい、して……」
千尋さんの、すごく気持ち良くなってるの。
「して……あっ、あ、あ、あ」
わかっちゃうよ。ここで――。
そっと手を自分のお腹に当てた。ここに俺の千尋さんのが入ってる。
「お前な……」
「……ぁ、ン」
「無自覚って一番凶悪だな」
「あ、何?」
「……なんでもない」
聞き取れなかった。だって、ちひろさんの太くて硬いの、気持ちいい。
「お前はなんも気にせず気持ち良くなってろ」
「あっ……ン」
ゆっくりと中を擦られて、ゾクゾクっと快感が全身に染み渡っていく感じがした。足の先まで気持ち良くなっていく。シーツを蹴る爪先にすら快感が駆け抜けてく。
「環」
「ひゃあ、あっ……あ、気持ち、い」
「あぁ」
「そこ、好き」
俺の中で、千尋さんのが、すごい熱くて硬くて。
「環……」
「ひゃ、あっ……らめ、ここ気持ち、ぃ、時に、らめ、名前呼んじゃう、の、らめ」
ぎゅううってしがみついた。
「環」
「あ、あ、あ、また、イッちゃう、ここ」
「あぁ」
腕で、脚で、お尻の、俺の千尋さんのが入ってるそこで
「あ、あ、あ、イクっイッちゃうっ、また」
「環」
「あ、あ、あぁぁぁぁぁぁっ」
しがみつきながら、自分の胸に飛ぶくらいまた放って。
「あ、あ、あ、らめっ、今、イッてるっ、千尋、しゃん……今、イッてるからぁ」
それでも奥まで貫いてくれる千尋さんのに身体をくねらせて喘いでる。
「くぅ……ン、奥、す……き、もっとトントンして……欲し、あ、あ、あ、それ、そこ、らめっ」
腰を掴まれて、そのまま、指なんかじゃ届かないところまで千尋さんのでいっぱいに。
「千尋しゃんは……気持ちい、ですか? 俺の身体、たくさん、気持ちい?」
怖い顔した。
「お、前なぁっ」
怒るとすごく怖いんだ。声も低くて、裏家業にお勤めですかってくらい。でも――。
「もっといっぱい……ン、ン、く」
「環っ」
すごく優しいの。
「あ、あ、あ、そこ、イッちゃう……奥、欲しい、よぉ」
「あぁ」
「あ、あ、あぁぁぁぁっ」
「っ」
すごくすごく優しくて、怖い顔してても優しくて。
「あ、あ、あ、もっと、して、くらさい……千尋さんの、で」
「っ」
「俺のこと、めちゃくちゃ、ぁ」
どんな時でも強くて優しい。俺の最愛の人。
「俺の、旦那様ぁ」
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