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第6話
え………?
えーと
なんだって?
『…………あの……今、なんて?』
『だから~、後ろの処女を失うコト♪』
『………』
聞き間違いじゃなかった…
“ウシロノショジョ”?
って、なんだ?
『あの…後ろの…処女って…』
『あ、知らない?後ろっていうのは~
キミのお尻の孔のコトで~
その処女を奪ってもらえばいいんだよ♪』
『…………は…?』
後ろは お尻の孔…?
お尻の孔の処女…奪ってもら……
『………!?』
───って!
『はいぃ───っっ////!?』
ちょっと待て!
ちょっと待って!
それって
それって…っ!!
ぶっちゃけ
男と×××しろってコトッ!?
『え!やだ!なにそれっ///!!』
『だって~童貞妖精はもう決まっちゃってるから取り消せないよ?』
ど、童貞妖精///?
なんだ!その恥ずかしいネーミングはっ!
いや、違う!
今はそこじゃなくて!
『いやいやいや!無理!』
絶対無理!
『んー。じゃあ仕方ないね♪
キミは今日からぼくたちの仲間~♪』
『──えっ!?それも無理!』
『そう言われても…このまま妖精になるか
お尻の処女を失うか…どっちかしかないよ?』
『……え…』
どっちか……選べと…?
なんちゅう選択肢だ…!
選べないっつの!
座ってられなくて ぐったりシーツに沈む。
すると、ノルが俺の傍まで飛んできて追い討ちをかけるように とんでもないコトを言い出した。
『キミ、男が好きなんじゃないの?』
『──はあっ!?そんな訳ないだろ!』
『あれれ?僕の調査では…
キミは男と結ばれる運命なんだけど』
『な!?なんだよ、それ!』
『んー、ちょっと待ってね?』
ノルは服の中から葉っぱの手帳を取り出すと
ぱらぱらと捲って、お目当てのページを見つけて読み始めた。
『キミの初恋の人は
幼稚園のユースケくん。覚えてる?
で、中学の時は隣のクラスのハジメくんで~
高校は同じクラスのマサキくん♪
そして今は……』
『────!?なっ…!違うっ!!
アイツらは俺の大切な友達っ!』
『あ~うんうん。それ気づいてないだけ♪』
『はあっ!?
そりゃ友達だから大好きだけど
そうゆう好きじゃないっての///!』
ムカついてノルから手帳を奪って 放り投げた。
でも、ノルは顔色ひとつ変えない。
『キミ、女の子好きになったコトある?』
『…………え?』
真顔で聞かれて固まる。
『そのお友達以上に好きな女の子いた?』
『え………い、いなかった…けど……』
『ほら~♪』
ペカーッと笑顔になるノル。
『なんでそうなるんだよ////!』
『だって、そうなんだもん♪』
『そうなんだもん、って……』
でも……
よくよく考えてみたら
俺ってば本気で女の子を好きになったコト
ない…かも…
女の子よりヤローと一緒にいる方が
断然 楽しかったし…
(今もそうだけど)
ってコトは…
マジで…俺、そっちの人間なの!?
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