8 / 12
第8話
結局…
悩んで、出した俺の答えは…
人間に戻る方。
だって、
妖精界の生活を詳しく聞いてみたら
一日中 お花眺めてボーッとしたり
鳥や虫と戯れたりしてるだけ…
まぁ、よく言えば のどかなんだけど
俺にとっては…退屈以外の何物でもない
しかも
ご飯はお花の蜜…だけ、とか
ありえない!
そんな単調な刺激(と ご飯)のない世界より
俺は…人間でいたーい!
妖精にならないコトは選んだってコトは
つまり…
後ろの処女を捨てなきゃいけないってコト///
だけど…!
やる!
俺はやる!
(もう、ヤケクソ!)
何もしないより
やるだけヤってやる!
☆☆☆
『ま、間に合った!』
ノルが時間を戻してくれたお陰で
朝イチの会議まであと10分、
ギリギリセーフ!
『おはよう。ギリギリだな十色』
『あ、瀬尾…お、おはよっ///』
瀬尾一馬 は
同じ部署の同い年の同僚。
ノル曰く…
今、俺が好きな人…らしい。
(自覚なかったけど)
そう、俺は……
俺はコイツに後ろの処女を
(どーせなら好きな人に)捧げる!
『せ、瀬尾…今日は仕事早く終わる?』
『ん?あー、どうかなぁ…なんで?』
『え…!あ…いや、その…たまには
ご飯でもどーかな?って思って!』
『お、いいな♪ でも今 分かんないから
返事、後でいい?』
『あ…、そっか…うん!分かった!』
『悪いな、ほら行くぞ?』
瀬尾は俺の頭をポンッと撫でると
会議室へと歩いていく。
おおぅ!爽やかな笑顔!
カッコいい…///!
(自覚はかったけど)
こりゃ、なんとしても
今日の約束を取り付けないと…
時間がないんだ。
俺が人間に戻れるタイムリミットは
「今日が終わるまで」
なんだから。
ともだちにシェアしよう!