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※第149話

 須藤の口から「愛する」という言葉が出るだけで、とても重みがある。もちろん、今の言葉は身体を愛するという意味だが、それでも自分の……男の身体を愛してくれるというのは、本当に嬉しいものがあった。 「じゃ……じゃあ、よろしくお願いします」  そう佑月が言うと、須藤のキリッとした眉が八の字になって、肩まで揺れだした。須藤が笑っている。  だけど今の佑月は珍しいと思う間もなく、困惑顔を向けてしまう。そんな佑月の額に須藤の唇が触れた。可愛いリップ音が立ち、佑月の胸がキュンと鳴る。  須藤の唇は額から目元、鼻先へとたどっていくと、最後に唇へとたどり着く。深いキスをしながら、須藤の手は佑月の身体を這い回っていく。まるで〝佑月〟を確認するかのように、身体のラインをなぞっていっている気がした。それだけで佑月の身体は、ゾクゾクと甘い痺れのようなものが走っていった。  スーツのジャケットはいつの間にか脱がされており、シャツのボタンも素早く外されていく。  自分が下となる立場。こういう時、女性はどうしていたかなど頭に過ぎる余裕もない。それほどに須藤の動きは速い。 「あ……っ」  鎖骨を甘噛みされて、佑月の声が思わずと上がる。佑月は咄嗟に手で口を塞いだ。 (なに……? 今の声って俺の声?)  恥ずかしい思いをしているのに、須藤は「声を抑えるな」と手を外し、シーツへと縫い付けてくる。 「だって……こんな声」 「俺が聞きたい。隠すな。まぁ、そのうち嫌でも声が出るがな」  須藤の不敵な笑み。佑月は少し怖くなった。須藤は佑月の目を見つめながら、桃色の突起に舌を這わせてくる。見ないで欲しいのに、自分も目が離せなくなっていた。 「ぁ……」  ビクりと大きく跳ねる身体。以前、指で触れられた事はあるが、舌だと本当にエロさが強調される。 「やめ……そこは、やっぱりいいです」  佑月の訴えは無視をして、須藤はシャツを大きくはだけさせると、舌を尖らせて乳首を押し潰すようにグリグリとしてきた。それはたまらない刺激になって、下腹部へとダイレクトに伝わっていく。  舐められただけで、こんなに過剰に反応する身体。それだけ須藤に愛されてきたのだろう。自分の身体なのに、自分じゃないような感覚。  だけどこれは、いま佑月がリアルに感じているものだ。 「そうだ。素直に感じていろ」  佑月の心が読めるわけではないが、佑月の不安を感じ取ってくれたのだろう。須藤は佑月が自然と声を上げるまで、胸への愛撫をやめなかった。 「や……あ……もう……いたい」  ヒリヒリと痛む頂。桃色だった乳首も今や真っ赤に成り果て、ぷっくりと膨れてつんと尖っている。須藤は小さな突起を指で挟んで舐めたり、口に含んで吸ってみたりと、様々な刺激を佑月に与えてきた。  

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