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第4話
朝、ソファの上で目覚めると床で悪魔がひざまずいていた。
ぷるぷるとふるえているし、しっぽも下を向いている。
そりゃそうだろう。
あんなに大怪我をしていた身体で、もうすぐ冬のこの時期に、床でずっと待っていたのだから。
「おはよう。」
「ぉはようございます。ベッド……使ってしまってごめんなさい。」
下を向いていた顔を無理やり上げさせると、目には涙が浮かんでいた。
それを指先で拭ってやり、ふわふわの髪をなでた。
「こっちおいで」
膝の上をぽんぽんとたたくと、目を見開いた。
「寒いだろ?風邪ひくから。」
「だ、大丈夫…です。」
「んー………じゃあ、俺が寒いから君の熱で温めて」
驚いたようにこっちを見て、少しずつ近づいてくる悪魔を捕まえて、膝の上に乗せた。
予想以上に冷えきった悪魔の身体を抱きしめて温めた。
悪魔は震えながらごめんなさいと、ありがとうございますを繰り返している。
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