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第7話

椅子におろすとまた、ありがとうございますと頭を下げられた。 「スプーン使える?」 「は、はい」 俺が食べ始めてから、一口食べたアルが目を広げる。 「美味しい、です。こんなに美味しいのはじめて。」 パタパタとゆれるしっぽを見て、少し笑ってしまった。 だが、アルの手は1/4ほど食べたところで止まった。 「ほら、もういいから。食器さげるからちょっと待ってて」 「ま、まだたべたいです。」 「そういってくれるのは嬉しいけど、無理はしたらダメって言っただろ?また、作るから」 少し怯えたように見てくるのは、残したら叱られていたからだろうか。 「すみません………。ありがとうございます。」

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