15 / 19
第15話
しばらくアルとのんびりしていると、チャイムがなった。
めったに人は来ないのに珍しい。
「アル、出てくるからちょっと待っててな。すぐ戻るから」
ごくっとうなづいたアルの頭をなでて立ち上がった。
ドアを開けると、金髪藍眼のイケメンがいた。
「はじめまして、朔さん。私、」
「分かった。あなたは天使ですね」
「ええ、よく分かりましたね」
うん、驚かない。
頭に輪っか浮いてますよとは言った方がいいのだろうか。
「私、フェルと申します。いきなりで申し訳ないのですが、こちらにいる悪魔のことで伺わせて頂きました。名前もつけていただいたようで。」
「あなたはアルの保護者ですか?」
「保護者……ではないですね。あの子はうちのメイドです」
アルがメイドなんて、イメージがつかない。
ちゃんと仕事は出来ていたのだろうか。
「そうですか。ひとつ説明して欲しいのですが、アルはなぜあんなに怪我を負っているのですか?」
「あの子が自分で転けたりしたんじゃないですかね。意外にもやんちゃな子ですから」
「こけて、足の爪が剥がれますか?一家の主人なら、使用人の健康状態のチェックは必要でしょう」
最初はいい人…天使だと思ったのだが。
「そのとおりですね。これからはもっと徹底します。
そして、あなたも分かっているでしょうが、私はあの子を返して貰いたい。とにかく連れてきて頂けないですか?」
「あなたにアルは任せたくない」
アルにこれ以上の傷をおって欲しくない
ともだちにシェアしよう!