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「塁ッ! なにすんだテメエッ! 今すぐほどけ……!!」
「イ・ヤ」
「塁イィッ!! テメこんなことして後でどうなるか分かってんのかアァッ!?」
「さあ? どうなっちゃうの? 兄貴……」
「る、塁ッ……! んっ!」
顔が近付いて焦るも、そのまま唇を奪われてしまい、触れるだけの口付けから徐々に深く、繋がりを増していく。
「んっ、ふ……っ」
ただ翻弄され、やがて口内には塁の舌が侵入し、端から端までを舐め回される。
舌を絡め取られ、逃げようともがいても無駄に終わり、口端から唾液を伝い落としては、水音を聞いているしかない。
「はっ、ん……、ふっ」
口内を我が物顔で這い回り、絡み合う水音に理性が次第に奪われ、しなければいけない抵抗が薄れていく。
や、べえっ……、こんなはずじゃっ……。
つかコイツ……、なんでこんな、うめーんだよっ……。
クソッ……、なんも、考えらんなくなってきた……。
「ん、んっ……、ぁっ」
玄関で押し倒され、ネクタイによって縛り上げられた両腕は、動かすことも出来ずに頭上でまとめられている。
こんな状況でもし家族が帰って来たならば、一体なんと言い訳したら良いのだろう。
弁解の余地が無いこと位、とうに分かっているのだけれど。
「んっ、る、いっ……」
様々なことを巡らせ、一刻も早く脱しなければと思うのに、身体は素直に甘い快楽へと呑み込まれ、下腹部が徐々に熱を持ち始める。
「気持ち良かった……? 兄貴」
「はっ、はぁっ……、ぁっ」
ようやく離れた唇、透明な糸を引き合いながら、塁が艶やかに微笑んでくる。
そうしてまた近付いたかと思えば、ぬらぬらと潤い満たされた唇を舐め上げ、舌先はゆっくり下へと進み始めていく。
「んっ……、る、いっ……。や、め……」
首筋、鎖骨を滑り落ち、焦らす様にゆったり濡らしていきながら、やがて肌蹴た胸元へと辿り着く。
無駄なく引き締まり、健康的な身体つきを眺め、小さな突起へそっと舌を差し出して、根本から強く舐め上げた。
「あっ……」
ピクりとすぐにも身体が反応してしまい、媚びる様に甘く鼻にかかった声が、あまりにも自然に漏れ出てしまう。
な、なんだ……、今のは……。
信じたくはないけれど、自分の唇から確実に漏れ、行為に快感を示してしまっていた。
ち、違う……!
俺にはっ……、こんな趣味はねえぞ!!
離せっつってんのに、コイツが、無理やり……!
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