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「可愛い……、兄貴」
醜態に頬を赤く染めれば、塁が愛しそうに目を細め、再び愛撫へと意識を傾ける。
片側には指を使い、軽く摘まんでいたかと思えば、親指の腹でくにくにとこねくり回す。
更に片側へは舌を這わせ、時おり口内に吸い込みながら、熟れ出した突起を甘く噛んでみせる。
「はぁっ……、ん、ぁっ……」
反応を楽しむ様に、胸元への愛撫を深めていきながら、正常な思考を少しずつ奪い去っていく。
こんなことをされて我慢ならないはずなのに、ぷくりと起立し出した突起は、与えられる快楽を悦んで受け入れてしまう。
胸だけではない、何処もかもが今では熱く燃え上がり、新たな刺激を欲して高ぶっていた。
「あ、はぁっ……、や、めっ……。る、いぃっ……」
瞳を潤ませ、襲い来る快楽の波に流されまいと、逃げ惑う理性を懸命に押しとどめる。
けれども儚き抵抗で、快感を押し殺そうとする此方へ微笑み、更に強い痺れを植え付けては、簡単に理性を追い詰めていく。
「や、あっ……、や、だ、るいっ……、るいっ」
「やだやだ言う割には、気持ち良さそうにしてない?」
「ち、がっ……、んっ」
「嘘ついちゃダメでしょ? だってほら、ココ……、こんなになってるじゃん」
「あっ……!」
するりと落ちた手が、すでに熱く主張していた自身へ触れ、布越しに一度撫で上げる。
それだけでヒクついてしまい、高ぶりは何処までも増すばかりで、一人ではもうどうにも出来なくなっていた。
「兄貴、こうなってるのはなんで? 俺、ココになんかしたっけ……?」
意地悪く耳元で囁き、自身に触れていた手がベルトを外すと、下着ごと一気に引き下げる。
「あっ……、ち、がう。俺はっ……、そんなっ……」
「兄貴……、なんか凄い勃ってるよ。これから何されるのか、楽しみで仕方ない……?」
「塁ッ! 頼むからっ……、もうっ」
「もう……、なに?」
弾かれる様に飛び出し、自身は期待に打ち震えながら、いやらしい蜜を滴らせている。
やめて欲しいのか、続けて欲しいのか、自分でも何が言いたいのか分からず、ただただ塁に縋り付いていた。
「兄貴、そんな可愛い顔しないで。俺、たまんなくなっちゃう」
頼り無げに瞳は揺れ、頬を幾筋もの涙が濡らしていく。
普段からは全く考えられない姿、誰も見たことがないだろう表情を前に、爆発的な欲を抑えることが出来ず、そそり勃つ自身に指を這わせてくる。
「あっ……! る、いっ……、やめっ」
そうしてすぐにも、熱を持ち高ぶっていた自身は、塁の口内へと含まれてしまう。
わざとらしく音を立てながら、じゅぷじゅぷと甘く蕩けさし、一瞬で抵抗の一切を奪われていく。
有り得てはいけない情事、けれども身体はもっともっととねだり、与えられる快楽を貪り尽くす。
俺……、なにやってんだ……?
このっ……、塁のっ……、ばかやろぉっ……。
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