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「う、んっ……、あっ! はあっ、あっ……」
満たされる喘ぎと水音、粘つく様な雰囲気に包まれながら、淫らな獣が徐々に顔を出していく。
異質な状況、誰が来るとも分からぬ場所で、血で結ばれた兄弟で交わす禁忌。
「あっ、あっ、やぁっ……! る、いっ……、る、いぃっ……、おれ、おかしくなっ……! あっ!」
指も絡めながら、執拗に追い上げられた自身は熟れ、今にも絶頂を迎えようとしていた。
たまらなく気持ちが良くて、甘くねだる様な自分の声にすら興奮し、あられもなく身をくねらせる。
理性などとうに消え、遊び女の様に淫らな欲望だけが、次へと肥大し膨らんでいく。
喧嘩をし、気が強く、荒々しい性格は行方知れずで、今ではすっかり身を潜めてしまっていた。
「兄貴……、すげー可愛い。イッていいよ」
頬を紅潮させ、狂おしい程の快楽に焼かれながら、免疫の無い身体は受け入れるだけで精一杯だった。
言葉など紡げず、ひたすらに淫らな喘ぎを続けては、自身から次へと蜜が溢れ出す。
もう、何もかもが限界にきていた。
「あっ、あぁっ! いっちゃ……、あっ! で、るっ……! あ、ああっ、ん……!」
場所など省みず、何処までもいやらしい矯声が響き渡ると、勢い良く放たれた欲の証がはたはたと、肌を、床をけがしていく。
「あっ……、ぅっ」
熱に浮かされ、解き放たれた余韻へと浸りながら、甘く濡れた吐息が零れ落ちる。
目はとろんとし、強烈な快感に成す術も無く、逃げる意思などとうに根こそぎ奪われていた。
「あ~あ……、ダメじゃん兄貴」
「んっ……」
「床、汚しちゃダメでしょ?」
「なっ……、る、るいっ……?」
いつまでも余韻に浸っていれば、塁の手により戒めを解かれ、身体を引き上げられたかと思えば、そのまま四つん這いにさせられてしまう。
視線のすぐ先には、己の欲にまみれた床が存在し、先程までの自分を思い、今更ながら恥ずかしさで包まれていく。
男に……、しかも弟にイカされちまうなんて……。
た、立ち直れねえっ……。
「ほら……、兄貴ので汚れちゃった床だよ」
「っ……」
「舐めて? 兄貴……」
「!? そ、そんなっ……、出来るわけ……」
弟の手で達してしまい、あまりの情けなさに打ちひしがれれば、今度は耳を疑う様な要求が下される。
ゆ、床を舐めろだとコラアァッ……!
て、てめえ塁イィッ!
何サマになったつもりだテメエはよオォッ~!!
屈辱的な行為にプツン!とキレてしまうも、外に表す程の元気はすでに無く、頬をカッと朱に染めながら、弱々しく躊躇しているしかない。
「ココにご褒美が欲しいなら、素直に言うこと聞いたほうがいいんじゃない?」
「あっ! ん、んっ……、ど、こ、指つっこんで……、あぁっ、く、ん!」
塁は腕を伸ばし、指に絡んだ白濁と共に、秘められた場所へと挿入してくる。
あまりに唐突で、考えられない様なところを犯され、ポロポロと自然に涙が零れ出す。
「泣いちゃダメ。俺もっと兄貴のこと、苛めたくなっちゃうじゃん」
「あっ、ん……! はあっ、あっ……」
くずおれそうになる身体、やっとの思いで支えてはいたけれど、押し寄せる波に今にも限界が訪れそうだ。
少しずつ解され、ヒクつく秘部が奥へ奥へと誘い入れ、たまらず甘い矯声が上がる。
もう、止められない。
きっと屈辱的なこの行為までもが、
「ん、んっ……」
白濁にまみれた床を舐める行為までもが、次なる快楽を導き出す餌となる。
その証拠に、つい先程欲を吐き出したばかりの自身が、また頭をもたげ始めている。
どうしちまったんだよ俺はっ……、こんな、こんなこと、されてっ……。
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