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『それでさ、俺達こないだA出版から遊園地のチケットもらったじゃん!?あれ、もう昂平と行った?』
『いや、まだ誘ってもいないけど』
『ヨシッ!……じゃあさー、俺とあおいとRIONと昂平の四人で行かない?』
『え?』
『こう、RION達二人がすっげーラブラブなところを見てさ、あおいも自然に俺とそうなってくんないかなって……ちょっと簡単すぎるかな?』
『うーん……なんとも言えない』
それこそ、宇佐木はそんなに単純じゃないだろう。俺たちが外でラブラブするのも色々と危険だし……そりゃーしたいけど。
『まーそれでも、俺と二人だったら来てくれないかもしれないんだよね、昼間だし……。夕方じゃないとあんまり会ってくれないんだよ、あおいって』
『え……なんで?』
宇佐木、部活とか何もやってないのに。休日は暇してるのかと思ってた。
『わかんねえ。昼間に俺と歩いてるとこ、見られなくないんじゃねーかな……。噂になって俺に迷惑かけたくないとか、そういうどうでもいいこと心配してそう』
『………』
『健気って言え健気なんだけどさ。俺は別に噂になっても構わないんだけどなぁ。俺の気持ちが真剣だって理解してもらいたいし。……なぁRION、協力してくれないか?』
千歳くんのこんな真剣な顔、初めて見た。何かに悩んでる顔も。
千歳くんは、俺と年も一つしか違わない同期だけど、すごく兄貴って感じで何かあったらいつも俺を陰で助けてくれた。優しいしカッコイイし、本当に、頼りになるひとなんだ。俺が今までモデルを続けてこれたのも、半分以上は千歳くんのおかげ。
そんな兄貴分の千歳くんの真剣な頼みごとを、俺が引き受けないわけにはいかない!
『……わかった。任せて!』
それに、宇佐木もトモダチだし!
小野先生に振られて今は辛いだろうけど、千歳くんと付き合ってちょっとでも元気になったらいいなぁって。そんな単純じゃないんだろうけど……。
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