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「て言うか理音少し薄着じゃないかそれ。もう一枚なんか羽織れ、外少し肌寒かったぞ」 「えー、俺暑がりなのに……」 「ずっと外にいるんだからダメだっ、ていうかヘアピンとメガネかけた理音可愛すぎる!」 「どうもありがとう……」  褒められたので素直に礼を言った。しかし相変わらず過保護だな、昂平。 俺は黒のジャケットを出して、パーカーの上から羽織った。    ちなみに昂平はデニムパンツと、青と黒のツートーンのウインドブレーカーを着ている。買うときに俺が選んでやったやつだ。昂平には、明るい青がよく似合う。 「どうした、理音」 「ううん、じゃ、行くか」  なんとなく、くやしいから褒めてやんない。  俺はモデルだからかっこいいのは当たり前として、昂平は素人だからなんか褒めたら俺がすげー昂平にゾッコンみたいな感じするし……!    んまあ、ゾッコンなんだけど。  階段を降りると、カノンが寄ってきた。 「お兄ちゃんたちもう行くの?」 「あぁ。連れてってやれなくてゴメンな」 「カノン、ダブルデートの邪魔するほど野暮じゃないよ!……それにしてもお兄ちゃん、なんか女の子みたいで可愛い!コーヘイくんのカノジョに見えるよ」 「ば、馬鹿なこと言うなって」  それを狙ってます、すいません。だって外でラブラブする予定だから、せめてもの抵抗っていうか、見苦しくないようにだな……。 「ダブルデートの人達も男の人なの?」  カノンのその問いに、昂平が答えた。 「そうだぞ、カノン。ていうかうさぎどんと千歳シンジだ、知ってるだろ」 「えええっ!ウサギさんって千歳シンジと付き合ってたのー!?うそーすごい!!でも試合のときはお互い知らない人みたいだったよ!?」 「ま、まぁ色々あるんだよ……もう行くぞ、昂平っ」  兄とその周辺の恋愛事情をあまり妹に知られたくない!ていうか恋愛は同性同士がするもんだって勘違いしたらどうするんだよ!!あ、でも彼氏を家に連れてこられるより、彼女を連れて来た方がダメージは少ないかも……うん……。  俺がそんなことを思っていると、昂平がカノンに言っていた。 「じゃあカノン、土産買ってきてやるよ」 「うーん。それよりお兄ちゃんとお揃いの物でも買ったら?」 「おっ、いいな、それ」  いいな、じゃねぇっ!!それとカノン、お前はいつからそんなアドバイスがさらっとできるようになったんだよ!! 「早く行くぞ昂平!行ってきますっ!!」 「行ってらっしゃーい♪」  昂平の腕を無理矢理引っ張り、俺たちは出掛けた。

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