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「ちょっとあなたたち、早く先に行ってよ……!後がつかえてるってヤブ医者から連絡がきたじゃない……!」 「ギャアアアア!!!!!」 オバケに注意されたぁぁ!!さっきの内臓飛び出した奴ぅぅ!! 「あっ、すいませーん。リタイアしたいんですけど、どこのドアから出ればいいですか?」 え!? 「すぐ歩いた先にあるわよ……」 「ありがとうございまーす、ほら、あおい」 ポン、と背中を叩かれて気付いた。俺、思いきり正面からシンジに抱きついてた……。 「……っっ」 「付き合わせてごめんな、出よう?」 「い……いいのかよ……?」 俺はともかく、シンジはこのアトラクションを楽しんでるようだったのに。 「うん、可愛いあおいを見れたから満足。それよりも二人になれるところに行きたいかな」 「……………」 ここを出たら、また四人になるのに。 「あ、昂平からLINE来てた。……理音限界のため、ホラーハウス早々に離脱……二人で楽しいところに行くからあとはお前らも好きにしろ……だってさ。二人で遊ぼ?あおい」 「……………」 まだジェットコースターしか4人で一緒に遊んでないのに……。 でもあっちは正規のカップルだし、きっと二人で遊びたいよなぁ、特にわんこは。 外に出ると、太陽の光がかなり眩しく感じた。もう二度と行かないからな、この遊園地のホラーハウス!死ぬほど恐かったし。 「あおいー、次は何乗りたい?ゴンドラでも行く?」 「んーと……」 入場の際にもらったパンフをバッグから出して、パラパラと捲った。なんか、落ち着いて乗れるやつはないのか……。 「RIONたち、楽しいところってどこかな……ホテルとかかな?」 「え!?」 た、楽しいところってそっちの意味!?まさかわんこがそんな表現するとか意外すぎる!てっきりメリーゴーランド的なところに行ってるかと思ったのに……お子様思考だから!(※実は正解) 「俺たちもホテル行くー?」 「いやいや、せっかくタダ券もらったのに遊ばないと勿体ないでしょ」 「こんなんいつでも俺が奢るのに~」 くそ、財布も何もかも余裕でムカつく。 そういえばシンジは俺と一緒にいるとき、俺に金を出させたことは一度もない。なんか色んな理由を付けて、ちっとも出させてくれないんだ。歳は一つしか違わないのに……。 本当に、千歳シンジはいい男だと思う。見かけもさることながら、中身も……。 俺、そんな人に告白されたんだよな。マジなのかはちょっと分かんないけど。 でも、少しだけ信じたくなった。 『遊びじゃないよ。たいせつにする』っていう、彼のさっきの言葉を……。

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