50 / 52

40

 もう片手で数えれるくらいは身体を重ねてるのに、今更なその事実に頭が沸騰している。イキそうだと訴えたら、シンジはグラインドを激しくした。しっかりと俺の腰をつかんで、俺のナカのイイトコロを狙い打ってくる。あまりにも気持ち良すぎて、俺の口からはもう喘ぎ声しか出ない。しっかりしがみついている手も足ももうガクガクだ。 「や、あーっ!も、イク、イッちゃう!シンジぃっ!いかせて……っ!!」 「はあっ、あおい可愛い…!俺もあおいのナカに出していいっ!?」 「あ、あ、出してッ!おくに、ちょうだい!千歳シンジのせーえきっ、ほしいっ、ちょうだい……!」 「なんでそこでフルネームなの?」 「アァーッッ……!!」  あ……お尻の奥、熱い………シンジ、ゴムしてない…?  ナマですんのとか、初めてじゃね……? 「はぁっ……はぁっ……ごめん、あおい。中出しした……」  別に謝らなくていいのに。精液頂戴って言ったのは俺なんだし。  てかもう、すっごいきもちよくて……  シンジの精液、全部俺が欲しいと思った。  口に出したら世の中の女の人にぶっ殺されそう、千歳シンジのDNA無駄にすんなって。  既にぶっ殺されそうなことしてるんだけどさ。  でも…… 「……すき……」  もーぶっ殺されても、いいや。 「え?」  俺、アンタのこといつのまにこんなに好きになっていたんだろう……。  その自覚はあったんだけど。 「ちょ、あおい?もう一回言って!?今なんて!?」 「も、言わねぇし」  小野先生のこと、あんなに好きだったのに。  思いっきり泣いたらなんか妙に吹っ切れたっていうか……今は清々しい気分だ。 「あおい!今俺に好きって言った!?」 「言ってない」  付け入る隙を与えたのは俺なんだけど。千歳シンジが無責任に吐き出すケーキみたいに甘い言葉なんか、絶対信じないって思ってたのに。  なんかもう、付けこまれてすぎて疑う余地もなくなったじゃんか……。  恋の終わりと始まりの境界線なんて、わからないな。

ともだちにシェアしよう!