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第6話
-昼休み、別の校舎では、賑やかな声が聞こえてくるけれど、この部屋は2~3人の話し声しか聞こえてこない。
来るときに買った、コンビニのサンドウィッチを食べながら、ポケットに入れた携帯電話を服の上から確認すると
「…なんか、ソワソワしてない?めずらしいね?!」
向かい合って食べていた日下部くんが、僕に言う。
-あ、…そうかな?変だったかな?
自分でも、少しだけ気付いていた。普段は、ゆっくり噛んで呑み込むのに、今日は喉に詰まりそうな程早く呑み込んでいた。
「別に、いつもと同じだよ。」
「…そうかな?…ま、いいんだけど…。」
日下部くんは、何か言いたそうだったけど、それを呑み込んでしまうと、黙々と自分のお弁当を口に運んだ。
-やっぱり変。
いつもなら、そうかな。といってしまうのに、否定するなんて…。
きっと、携帯電話のメールが早く見たいから。そうに違いない、と思った。
早速、個室のトイレに入ると、緊張しながら画面を開く。
………今夜9時、マンションの前で。
これだけ。他には、何もない。結構ドキドキしたのに..........。
僕の緊張は、途切れた…。
これって、僕の所に来てくれるって意味?
どう受け取っていいのか・・・日下部くんに聞くのも・・・だし。
取り合えず、夜9時にマンションの前で待っていようと思った。
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