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第18話
僕が友田さんを抱き寄せたのに、体格の差があって、友田さんの腕の中にすっぽり埋まってしまったのは僕の方で。
更にドキドキする………。
顔は下に向けたまま、そっと手を緩めておろしたら、友田さんも同じように下を向いたまま離れた。
「…ぇッと……、今日はありがとうございました。でも、僕自信は友田さんの事を気持ち悪いと思っていません。……だから…」
うまく自分の気持ちを言い表せない。
「………俺、…でよかったら、これからも友達でいてほしい。……ダメ?」
気弱な声で友田さんが聞いてくる。
なんだかはじめての事ばかりで、よく分からない。……でも、友田さんとはずっと友達でいたいと思った。
「だめじゃないです。……こんな僕でよかったら、お願いします。」
そういって、やっと互いの顔を見た僕たちは、少しだけほっとして口元が緩んだ。
ぎこちない足取りで部屋を出た友田さんは、僕のお母さんと何かを話した後帰って行って、その気配を感じた僕は、部屋から出た。
「…アユ・・・」
お母さんは、僕と目が合うと、僕の身体をおもいっきり抱きしめて震えていた。
- 痛い…けど、嬉しい。
お母さんの背中越しには、ガラスの花瓶に生けられた優しい色の花が見えて、僕が再び目にしたものが、友田さんの顔とお母さんと、美しい花たちで良かった、と思った。
僕は、今大事に思っている人たちや、花に心を癒された自分を信じて生きればいい。
まだ自信はないんだけど、これから始めようと思った。
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