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第24話

 その晩、お母さんの料理を食べた後、ゆっくりお風呂に浸かった僕は、湯船の中でうたた寝をしてしまった。 ずるッと足が滑って、顔が浸かるとお湯をかぶってしまって息苦しくなる。 「グフォツ、ゴホツ、ゴフツツ・・」 思いきりむせたら、心臓がドキドキして余計ぐったりとなった。 自分で思っていた以上に疲れていたんだな…。こんなのはじめて。 ベッドに入ったけど、机の上の携帯が光っているのが見えて、また布団をめくって確かめに行く。 …友田さんからのメールを確認すると、僕の心臓は自分でも分かるほど高鳴ってしまった。すぐに今日の白シャツと黒いエプロン姿の友田さんが頭に浮かんで.....。 『今日学校へ行けて良かったな。 あと、店に来てくれてありがとう。 また、いつでもおいでよ。』 友田さんらしい……。 僕にメールをくれるけど、前の様に返信を求めて来ないんだ。 僕の負担になるって思うのかな?。 …気を使わなくていいのに…… あの日、友田さんが会いに来てくれて、僕は少しだけ前を向けた気がする。 すべてを放棄して、心は安らいだ気になっていたけど、あのままだったら、澱んだ水の底に居るのも変わらなかった。 部屋から出てこない僕を心配しながらも、仕事をしなければならないお母さんに、もっと心配をかけてしまった事だろう。 僕は、自分の事しか見えていなかったけど、あの頃お母さんは毎日泣いていた。 だから、友田さんは僕だけでなく僕のお母さんをも救ってくれたんだ。 『明日も会いに行っていいですか?』 僕は、指先に集中しながらも、暖かい気持ちでメールを返した。 その返事はすぐにきて、 『おいで。待ってるから。』 短い文面だけなのに、見えない線で僕たちの心が繋がった気がした。 友田さんを特別な人の様に感じるのは、どこか変なんだろうか...........。

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