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第37話
あたりに誰もいないのを確認しながら、元居た場所へ戻る僕は、日下部くんが何も話しかけてこないので不安になる。
もしかして、あの”隠し子”って言葉を真に受けているんだろうか?
僕の父親は、離婚してから会ってはいないけど、〔小金井さん〕って人ではない。
浩二さんは、どうしてあんなウソを言ったんだろう..........。
「テイサツ」しに来たのは、あの二人の事だったんだろうか?
僕の事を持ち出していたって事は、友田さんが浩二さんたちに頼んだのか。
ざわつく気持ちを胸に秘めたまま、僕たちはバスに乗った。
「ねぇ、日下部くん・・・」
僕が窓際のシートに座る日下部くんに話しかけると、
「・・・ん?」
少しだけ間が開いて返事が返って来る。
「僕、小金井さんて人知らないんだけど.......。さっきの話はウソだからね?!」
「うん、分かってるよ。アユムくんが、あの浩二さんて人と知り合ったのだって不思議な位なんだ。なんか訳があるんだろ?・・・でも、浩二さんたちが言ったおかげで、上級生の人がアユムくんにしつこくする事は無くなりそうだ。」
そういうと、日下部くんは口元を緩ませて微笑んだ。
僕より嬉しそうな顔。
僕も、ホッとしたんだ。
浩二さんの言い方は、ちょっとテレビドラマのようだったけど、あれでもう僕の事は見ないでくれるとありがたい。
二度とあんな怖い思いはしたくないから.....。
バスのロータリーで日下部くんと別れた僕は、一応携帯のメールをチェックする。
友田さんは、今日もカフェでバイトかな?
僕は、いつもバイトの邪魔をしてしまう。
初めて出会った時も、家まで送ってくれて.....。
しばらくは、邪魔しないように家でおとなしくしていようと思った。
今日の事は、また今度出会った時に聞けばいいよね?それまでは、会うのガマンしよう。
その日は、お母さんの手料理プラス、昨夜の「謙ちゃんのシチュー」をお腹いっぱい食べて早めにベッドへ潜り込んだ。
掛け布団を鼻まで上げると、ほんのり友田さんのにおいがした。
僕とは違う少し大人のにおい。
そう思ったら........瞼に焼き付いてしまった友田さんの裸が........。
ぅわっ・・・
どうしよう.......ヤだなぁ........僕の目の前に、友田さんのアソコが.........。
ぅ........僕、おかしい?
どうして、体がもじもじするんだろう.........。
僕の股間がムズムズする。....ン..............ア...........
そっと下着越しに触れると、いままで感じた事が無いぐらい熱い芯の様になっていた。
僕は、あまり自分で触ったりすることが無くて.....。
そういうものに興味が無いのかと思っていた。でも、友田さんのにおいを嗅いで、思い浮かべたら..........
そう思うと、余計に興奮してきて、枕を抱きしめながら次第に腰が動いていた。
ぅ....ぅぅ.......ヤダ.............ン.....ン..................
僕の指が、ねっとりしたものでいっぱいになる。.....こんなの........こんな.......
枕に顔を埋めては、声を押さえる。そうしながらも、右手は忙しく上下に動かしながら力がはいると、今度は友田さんの指が僕の後ろを撫でた感触を思い出してしまった。
ぁぁああ................っ
ティッシュでふき取りながら、誰も見ていないのに、ひとりでバツが悪くなってへこんだ.......。
こんなの初めて......やっぱり僕も男の人が好きなんだろうか.......。
..............どうしよう...............。
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