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第40話

 明るい店内には爽やかなBGM。 回りには、休憩中のサラリーマンと、中年の男女のグループが、ちらほら。 その中で、異質な僕たちは、平日の午前中に、喫茶店でタムロしている不良学生の様で。まさかその中に、自分が身を置くとは思ってもみなかった。 心に深い失望と焦燥感を感じて、僕は泣きそうになる。 友田さんとの事を聞かれても、一方的に僕が助けられただけで、浩二さんがニヤつく様な事は無い。 ただ、昨夜気づいた僕の願望は、言うことは出来ないと思った。言えば大変な事が起こって、この人たちの餌食にされそうだから。 「なんだよぉ?、だんまりか?」 浩二さんが僕の腕を肘で押してくるが、僕は口を閉ざしたままだった。 「お待たせしました~。」 運ばれてきたモーニングを見ると、もう僕には見抜きもしないで慌てて口へと押し込んでいる。 僕は、目の前に置かれたオレンジジュースのコップにストローを指すと、口に運んだ。 横目で浩二さんと、向かいの茶髪の人を覗くが、さっきの怖さが少しだけ薄らいできたような気がして、しっかりジュースのコップを手に持つと、飲み干してしまった。 「じゃあ、僕は学校へ、」 立ち上がって言ったが、浩二さんが僕のズボンを引っ張るからフラついて、また椅子に引き戻されてしまう。 「まって、ちょっと、・・・お願い。」 浩二さんが僕に向かって可愛く言うが、全然似合っていないし、むしろ怖さを増しているだけだった。 仕方なく二人の食べ終わるのを待つことにすると、向かいの茶髪の人が浩二さんの後ろに視線を向けて、口を半開きにしたまま固まってしまった。 僕は気になって、彼の視線の方向を見ようと後ろを振り返る。すると、横に座った浩二さんの頭を大きな手が鷲掴みするのを見た。 「あっ!!」 思わず声をだすと、僕たちの後ろに居た人が、ニコリと微笑む。 僕に微笑んでいるんだろうか?! 顎のラインまで伸ばした黒髪は、少しだけ癖があり跳ねていた。 オシャレなのか無精なのか、顎にひげを蓄えてトレンチコートを羽織っているが、中はTシャツ一枚みたいだった。 ‐‐‐ どうしよう、またまた変な人が出てきたんだけど - - - - -

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