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第59話 *

 硬いフローリングの上に立ったまま、僕たちは触れるだけのキスを交わす。 友田さんのキスはとても優しくて、真綿に触れるようにフワフワとした感触だった。 そっと僕の唇に触れると、身体をぎゅっと抱きしめてはまた離す。 小金井さんと違って、慣れていないのがわかる。僕もどうしたらいいのかわからなくて、されるがままの状態で.......。 「アユム、べ、ってやって。」 「…?」 顔を離すとそう言われ、意味が分からなくてキョトンとしてしまった僕に、友田さんが自分の舌を出して教えてくれた。舌ベロを出せ、という事か。 同じ様に僕も舌を出してみるが、恥ずかしくて目を瞑った。すると、おずおずと出した舌の先に何かが触れる。 ぬろっとした感じだけど、イヤな感触ではない。顔に当たる熱で、友田さんの顔がそこにあると分かるとドキドキするし、僕の舌を吸い込むように絡められると、なんだか甘ったるい気持ちになる。 さすがに息が苦しくなってきたので、僕は少し身体を引いて気持ちを落ち着かせようとしたが、友田さんの腕がしっかり僕を掴んで離さない。 これ以上くっついていると、身体が反応してきそうで、もじもじする僕に向かって 「ベッドに行ってもいい?・・・イヤ?・・・・」 聞いてはくれてるけど、答えはもう決まっているようで、足元は少しづつ移動していた。 「・・・友田さんにお任せします。」 「うん、ありがとう・・・」 答えを待っていた友田さんは僕の手を引くと、そっとベッドの掛け布団をめくった。 それから着ているシャツを脱ぐと、僕のシャツのボタンを外し、肩から抜くとベッドに横たわらせる。なぜかズボンは穿いたままだったから、僕は自分でベルトを外すと寝転んだまま脱いで床の上に落とした。 「あ・・・・」小さな声を上げた友田さんの顔を見ると、すごく赤くなっていた。 僕たちは下着一枚の格好で布団に潜り込むと、今まで以上に興奮して互いの肌を撫でまわす。決して柔らかい所なんてないのに、肌の質感を確かめるように手のひらを滑らせ、唇を求めあうと、徐々に下半身が形を成して太ももや腰に当たるたびじわっと濡れるのを感じた。 「ア、ユム.........触っても、いい?」 僕の瞳を覗きこむと聞いてくるから、ウンと首だけで返事をする。 ぁ....... 友田さんの大きな手が下着の中に入ってくると、骨ばった長い指が僕のモノを包んだ。 それだけで余計に硬くなってしまい、自分が恥ずかしい。 そっと指を這わせると、今度は筒状にしてゆっくり扱かれた。そのたびにヌチツという音が聞こえるから、僕はますます恥ずかしくなってしまう。 「ぼ、くも・・・触りたい・・・」 自分ばっかり恥ずかしいのは嫌だった。それに気持ちいい。友田さんにも気持ちよくなってもらいたい。 「うん。いいよ・・・触って・・・」 その言葉で、下着に手を差し込むと、硬く大きくなった友田さんにビックリした。 前にお風呂場で見たのとは段違いで、同じ男なのに、と思ってしまう。 それでも、僕が触って気持ちいいのか、目を閉じて口元が綻ぶ顔を見ていたら嬉しくなる。僕の手で気持ち良くなってる・・・・・? 後はもう、意識が遠のくまで互いに擦りあうと、僕たちは同時に果ててしまった。

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