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第75話

- - - - トクン - - - - トクン - - - - やっと、僕の心臓が正常に機能し始める。 今日は朝から掃除をして、晩は桃里くんに驚かされて、なんだか忙しい一日だったけど、こんな日はゆっくりお湯に浸かって早く寝ようと思った。 湯船の中で、さっき桃里くんに言われた言葉を思い出す。「好き…」って言われた。 ........僕を好きなんだ…… 人から好きだと告白されたのは初めて……。 あ…………… 今頃になって思い出したけど、そう言えば、友田さんから好きって言われてない気がする。 「俺のモノになって」 そう言われて舞い上がったけど、僕の事が好きだから、だよね? やだなー、どうして今頃思い出すんだろ。 僕が友田さんを好きだから、それでいいんだ。僕たちは結ばれたんだし………。 濡れた髪を拭きながら、リビングに戻ると、メールが来ていた。 今度は友田さん。僕の心は少しだけ弾んだ。 " 明日、夕方5時からバイトあるけど、その前に遊べる? " というメールをもらい、おもわず目尻が下がった気がする。やっぱり会いたい。 一人で静かに過ごすのもいいけど、好きな人に会いたいと思って……。 僕は直ぐに返信して、お昼前に待ち合わせをすることになった。 桃里くんの事はちょっと引っかかるけど、もう気に留めるのは止めよう。キスされた事は言わないでおこうと思った。それでなくても、友田さんは桃里くんが気になっているみたいだし、僕の事を好きなのが分ったらきっと嫌な気持ちになるかも........。 朝が待ち遠しくて、生まれて初めて早く明日にならないかな、って思った。

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