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第84話 *
クリスマスの夜、絡み合った僕らの指先に愛の炎が灯ると、静まり返ったリビングの中には暖かい空気が充満していった。
屈んだまま僕にキスをする友田さんの指先が、僕の指から離れると、肩から鎖骨に降りてくる。そのまま伸ばされた指先は、やがて僕の胸にたどり着き、固く突き出た粒を捉えると、そっと円を描きだした。
「ぁ....」
目を閉じたまま、鼻から息が抜けると、身震いがした。
友田さんから与えられる快感が好き。なのに力任せではない、そっと触れる指先が、時折はがゆいほど切なくなる。もっと酷くしてもいいのに、と思ってしまう。
「待って........。」
そういうと、僕は友田さんに向きやり、自分から口づけてソファーの背に押し倒す。
一瞬、目が合うと大きく見開いたが、すぐに僕の唇を受け入れてくれた。
じっと目を閉じる友田さんの唇を離すと、顎から喉仏、それから鎖骨、胸の尖り、割れた腹筋の隙間を縫うように舌先を滑らせる。
目を開け、上目遣いに友田さんの表情を見ると、少し開いた口元から洩れる息が、感じていることを示していた。
僕は、さっきされた様に、バスタオルの合わせをめくり、友田さんのを露わにすると、ゆっくり自分の口に含んでいった。
「ぅ......」
小さく漏らすが、目は閉じられ僕の髪に指を滑らせると、そっと頭を撫でる。
......ん.......んん.........
暫くすると、友田さんのものは硬く反り返り、僕の口には入りきらなくて、時折喉の奥を突かれては咽そうになるが堪えた。
僕だって友田さんを気持ちよくさせたい。与えられるばかりではなく、与えたい。
溶けそうになったアイスキャンディーの滴を舐め取る様に、僕の舌が上下に動くと、段々荒い息になった友田さん。
それを見て僕も興奮してしまい、立ち上がると、ソファーに横たわる友田さんの身体を跨いだ。
僕らはソファーの上で、互いのモノを求め合い、僕の下にいる友田さんの指が、窄まりを刺激し出すと、一気に後頭部がしびれてくる。
「あっ.........、んっ...........」
気づけば、今度は友田さんの舌先が窄まりをつつき出す。
十分に慣らされると、僕は友田さんを受け入れたくて、そのまま自分の身体を沈めていった。
- - - アユム - - 好き - -
耳元で囁かれると、身体の芯がグズグズに溶けそうになる。
さっきまで、友田さんを見下ろしていた僕は、自分が友田さんを抱いているような感覚になっていた。僕の下で顎を上げ、気持ちよさそうに首を何度も振っていたのに、なぜか今はひっくり返されて、僕はソファーに沈んでいる。
「あっ、あっ、ぁ..........もっ、イ......ク......もっ......」
何度も打ち付けられて、僕の快感は絶頂に達しそうで我慢が出来ない。
でも、先にイクのは嫌だ。今度は絶対堪えるんだ・・・・・。
「んっ、......アユ、.......アユ........イクツ..........イ.....」
その言葉で、僕の中が一気に暖かくなる。
それを感じながら、僕も自分のお腹に白濁を散らした。
はぁ、...... はぁ、...... はぁ ........
二人とも、呼吸のたびに肩が上下して、狭いソファーの上で横向きのまま抱き合っていた。僕が友田さんの胸にチュツとキスをすると、腰に回した腕を引き寄せてより密着しようとしてくる。
「友田さん、...........お腹が、ベタベタする。.........もう一回シャワーしに行こうよ。」
「..........ああ、そうだな。アユムの、いっぱい出たもんな?」
クスツと笑いながら言ってくるから恥ずかしくなる。それでも、友田さんが言ってくれたとおり、嫌な記憶はすっかり上書きされたようで、今の僕はまた幸せの中に居る事が出来た。
「シャワー行こっ!」
手を繋ぐと、二人、小走りで風呂場まで行く。
そのあと、また先ほどの様に洗ってくれて、ちゃんと処理もしてくれた。
どうして全部掻きださないといけないんだろう・・・・。
自然に流れ出るのに・・・・と思ったが、僕は友田さんに身を任せた。
すっかり夜も更けてしまったけれど、なんだかお腹が空いて、二人でラーメンを作って食べると躰もポカポカと温まってくる。
僕が食べ終わるまでに、友田さんはベッドをきれいにしてくれて、シーツも布団カバーもすべて取り換えてくれた。
布団に潜り込むと、自然に手を繋いで、仰向けに並ぶ。
お互いの体温を感じて眠るのは、心が満たされるようで、これが幸福感なんだろうと思う。友田さんに出会うまでは、知らなかったこの気持ち。
僕の中で、より強く一緒にいたいと願う気持ちが芽生える。毎日僕の横には友田さんがいたらいいのに・・・・・・。
そう思ったら、繋いだ手を強く握ってしまったようで、
「・・・アユム?」と、こちらを見て眉を上げた。
「・・・好き。僕、友田さんの事が大好きだから。」
そういうと、僕を見つめた瞳が少し照れくさそうで可愛い。
「俺の方が、その何倍もアユムの事好きなんだぞ!」
友田さんも、負けずに照れながら言うから、余計可愛くなる。
ふふ、ふふふ・・・・
二人で笑ってしまったが、どちらともなく顔が近づくと、そっとキスを交わした。
一度だけ、チュツと音をさせて、すぐまた仰向けに並ぶと、友田さんの肩に頭をくっつけながら、僕は深い深い眠りに落ちていく。
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