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第2話・僕の救世主。 ①

 ――……。  ――――…………。 「......ん......」  ここはどこだろう?  目を開けたそこは――天井の離れたところに通気口がふたつ見えた。  時折冷たい風が半分ひらいた窓から入ってきて、白いカーテンがゆらゆら揺れる......。  カーテンと同じ白色をした壁にかかっている時計を見ると、時刻はお昼の2時を指していた。  どうやら僕はあれから少し気を失っていたらしい。  僕はふかふかのベッドで仰向けになっていた。  白で統一されたこの部屋はどこだか知っている。  1階の、職員室の隣にある保健室だ。 「あ、気がついた?」  ――え?  次に、僕の耳に飛び込んできた声でびっくりした。  僕がびっくりしたのは、保健室にいるのは僕ひとりだと思っていたから、まさか声をかけられるなんて思わなかった。  ......っていうのももちろんあるんだけど、実はそれだけじゃない。  だって、僕の救世主、アラタさんの声が聞こえたんだ。驚かない方がおかしい。  僕は布団を跳ねのけ、上体を起こす。  そんな僕の隣には、井上先生が細い眉をハの字にして、パイプ椅子に座っていたんだ。

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